2015/10/15 - 07:01

環境省、指定廃棄物の処分場候補地の冠水を確認

環境省は14日、栃木県の指定廃棄物の最終処分場候補地について、先月の関東・東北豪雨による影響の調査を行った。調査は、塩谷町から候補地に冠水の被害があると報告を受けて実施したもの。この日の調査では、環境省から依頼された専門家が冠水の跡を確認。環境省の熊倉計画官は「少し水を被ったから駄目というわけではない。対策をつめていかないといけない」と述べた。

塩谷町の見形町長の立ち合いのもとで行われたこの日の調査。環境省と栃木県の職員とともに、国と県の有識者2人が同行した。調査は候補地から約8キロ地点から車で向かったが、候補地に向かう林道には土砂崩れが発生しており、車の移動は約2キロ手前で断念。徒歩で候補地へ向かった。

林道と川に囲まれた候補地では、地面の上に倒木や、川から流れてきた砂が散乱していた。川へ降りると、川が増水し、候補地を侵食した様子が見えるなど大雨の影響が生々しく確認できた。約1時間にわたり、調査を行った国の有識者会議の委員 谷和夫教授(東京海洋大学)は「候補地が、川の流れに沿って約100メートル、両岸30メートルに沿って浸水した」と指摘した。

豪雨による候補地の被害状況(塩谷町制作)

環境省は、台風18号の被害を受けた翌日の9月10日、職員2人が現地調査を行い「冠水の状況はなかった」と報告。しかし、同日に調査を行った塩谷町は、被害の状況を撮影したビデオを16日に公開。公開されたビデオでは、林道から候補地に雨水が流れ込む様子などが映っていた。ビデオを公開した塩谷町の見形町長は「冠水は誰が見てもすぐ分かる。わざわざこのような場所を選んでつくる必要はない」と建設の白紙撤回を訴えた。

環境省の熊倉計画官は「処分場建設の対策をつめたい。詳細調査をやらせていただきたい」と述べた。環境省は今後、報告書をまとめ、住民への説明会開催や候補地建設のための詳細調査の実施を求める方針だが、町は処分場建設に繋がるものを拒否している。

関連サイト
栃木県塩谷町「指定廃棄物最終処分場候補地選定までの経緯と現状」
http://www.town.shioya.tochigi.jp/forms/info/info.aspx?info_id=34321
環境省「放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト」
http://shiteihaiki.env.go.jp/

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