全国知事会の危機管理・防災特別委員長を務める泉田裕彦新潟県知事は24日、原子力規制委員会の田中俊一委員長と初めて面会し、原発事故の際に、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を活用できるようにすることなどを要望した。 原子力規制委員会は、今年4月に原子力災害対策指針を改定し、原発事故時の住民の避難対策は、SPEEDIではなく、モニタリングポストの実測値を使用する方針を定め、原発の立地自治体から反発の声が上がっていた。
面会で泉田知事は、モニタリングポストの実測値で、住民の避難対策をとることについて、「被ばくを前提に避難指示を出すことで、住民の理解は得られない」と批判。田中委員長は「SPEEDIは絶対値で評価できず、いろんな混乱の元になる」と答え、方針は変えないことを示した。
また、原子力災害対策指針で、甲状腺の被ばくを抑える安定ヨウ素剤の事前配布の対象が、原発から5km圏内の住民とされていることについて、泉田知事は「被ばくしてからヨウ素剤を服用すべきというメッセージだ」と、避難の必要の可能性がある住民全てに、事前に配布するように指針を改定することを求めた。田中委員長は、「指針は基本的な考えで縛っていない。知事の方で検討して適切にやって欲しい」と回答したが、泉田知事は、指針に入っていなければ、予算が全て自治体負担となり、対応できないと説明。指針の改定を強く求めた。
面談後の会見で、泉田知事は、田中委員長の印象について「住民目線の話が伝わってこなかった。住民の生命、健康を守るという観点でやっていただきたい」と述べた。
◎議事録速報版
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