2015/08/12 - 04:18

「原発ゼロ」2年で幕、根強い反対の中で再稼動

九州電力は、11日の午前10時30分、川内原子力発電所の1号機を再稼動させた。東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原子力規制委員会が定めた新規制基準の下で原発が動いたのは初めて。国内で原発が稼動するのは1年11ヶ月ぶり。昼になると再稼動に怒った人びとが、国会前に集まり「再稼動を許さない」「原発を止めるぞ」と怒号を上げた。
 
再稼動の1時間前の午前9時。永田町の首相官邸前には約30人が集まり、「川内原発再稼動反対」「もう福島を忘れたのか」などと書かれたプラカードを掲げて抗議した。中野からかけつけた伊藤かつみさんは、今日が東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から月命日であることを説明し、「私は毎月11日に、いつも福島のことを考え、何が出来るか考えている。11日に再稼動するなんて、人でなしの行為だ」と憤る。
 
川内原発が再稼動されたニュースが出ると、昼には、炎天下の中、衆議院議員会館前に約140人が集まり「再稼動は許さない」と抗議の声を上げた。富山洋子さん(82歳)は、「原子力発電は、核発電と呼ぶべきだ。一部の人に利益をもたらすだけで、原発労働者の被曝の上でしか、成り立っていかないようなものを受け入れてはならない」と原発の廃炉を訴えた。
 
昼の抗議行動を呼びかけた「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」の土井登美江さんは、「原発再開は日本を前に進めるのではなく、遅らせる。安倍政権は、日本の将来を後ろ向きの方向に進める駄目な政権だ」と批判した。
 
川内原発1号機は、定期検査で止まっていたため運転するのは4年ぶり。長期に停止していた原発が再稼動するのは世界でも珍しいとされる。九州電力によると、川内原発1号機は、同日23時に核燃料が一定の熱を出し続ける「臨界」に達し、14日に発電と送電を始める予定だ。
 

「川内原発1号機 原子炉起動操作」(24分)撮影:九州電力
場所:中央制御室
冒頭 「10時30分から原子炉起動操作の開始をお願いいたします」とアナウンス。制御棒の引き抜きのための機器のチェックが始まる。
9分45秒 運転員「制御棒の引き抜きを開始します」運転員がレバーを操作し制御棒の引き抜きが始まる。
10分26秒 制御棒が引き抜かれていくと、モニターの色が白から黒に変わる。
10分48秒 当直課長が「原子炉が10時30分に起動しました」と報告する。
 
関連リンク
九州電力 川内原発の運転状況リアルタイムデータ
http://www.kyuden.co.jp/php/nuclear/sendai/s_power.php
 
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