環境省は2日、東京電力福島第一原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場候補地に指定した栃木県塩谷町を訪問。面積の測量に向かおうとしたものの、建設に反対する住民が入口林道を封鎖。見形町長や塩谷町議会の田代議長も住民とともにに立ち並び、「どんな小さな調査も絶対反対だ」と建設候補地の白紙撤回を要求した。
この日調査に訪れたのは、環境省の職員3人と測量担当者3人の計6人。環境省関東地方環境事務所の畑茂樹保全統括官が調査を求めたが、住民約400人が林道に広がって、道を封鎖した。先頭に立つ塩谷町民指定廃棄物最終処分場反対同盟会の和氣進会長は「自然と命の水、未来の子どもたちを守っていく。帰っていただきたい。何回来ても私たちは阻止していく」と訴え行く手を拒んだ。畑保全統括官は「最終処分場は何重もの措置を行う。説明不足で不安にしてしまい申し訳ない」と説明したが、住民からは「建設白紙撤回の答えしかいらない。帰れ」と怒りの声が上がり、環境省はこの日の調査を中止した。
環境省が測量調査を実施すると町に通達したのは3日前。一方的な通告であったうえ、町制50年の式典直前であったこともあり、町民は激怒。調査の2時間前になると、候補地への林道入口に「処分場は絶対に作らせない」「水源を命がけで守るぞ」という立て看板を持った住民が続々と集まりはじめた。林業を営む渡辺正夫さんは仕事を休みかけつけた。「ここは水がきれいな町。処分場ができれば、孫はこの町に住まない」と語り林道に立った。
環境省の畑保全統括官は調査を断念した後、記者に対して「今日のことを報告してから、今後どうするのか検討する」と説明した。見形町長は、会見で「(調査を)お断りしたにも関わらず来られた。信頼という言葉が不要になってしまう。住民サイドに立って考えていく」と環境省への不信感あらわにした。環境省は、町での住民説明会の開催を求め続けているが、町は拒否している。
YouTube版 環境省「最終処分場」調査断念~塩谷住民が阻止
https://www.youtube.com/watch?v=rikXbcl_YaM
関連サイト
環境省放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト
http://shiteihaiki.env.go.jp/
栃木県塩谷町
http://www.town.shioya.tochigi.jp/forms/top/top.aspx
塩谷町民指定廃棄物最終処分場反対同盟会
http://shioya-doumeikai.jimdo.com/