同性パートナーを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する条例案を区議会に提出した渋谷区の桑原敏武区長が23日、外国特派員協会で記者会見を行った。桑原区長は、条例をアピールする一方で、渋谷区で問題となっている野宿者排除については、問題ないとの考えを示した。
桑原区長は、同性パートナー条例について「すべての人に未来設計のもてる人生を実現することが何よりも大切だ」と主張。自民党の谷垣幹事長が懸念を示したことについては、「社会秩序や制度は人のためにある。制度に問題があれば改善するのは当然。」「この問題は、常にカバーをかぶせられて、人の目に見えないような形になっている」と反論した。
一方、野宿者について質問が出ると表情が変わり、年末年始に野宿者への炊き出しをさせないために公園を封鎖したことについて「(炊き出し)は政治活動。野宿者は渋谷区が適切に指導している。宮下公園にホームレスはいない。専門的にどこからか来る」と発言。渋谷区は、きちんとホームレスの支援を行っていると繰り返した。
また、宮下公園整備をめぐり、渋谷区が訴えられていた裁判で、今月13日に東京地裁が渋谷区に損害賠償の支払いを命じる判決を下したことに対して、桑原区長は、控訴する考えを示した。東京地裁は、渋谷区とナイキの契約で整備工事を進めた宮下公園について、入札や計画の経緯に地方自治法違反の疑いがあるとした上で、公園の工事時に野宿者を無理やり担ぎ上げて退去させたのはやり過ぎだと、この当事者へ11万円を支払うように命じていた。
宮下公園の裁判の原告で、渋谷で17年にわたり野宿者支援をしている「渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合 のじれん」の黒岩大助さんは、 渋谷区の控訴を「野宿者を強制的に追い出したことについて、全く反省していない。」と批判した。また、炊き出しは政治活動だとしたことについて、「全くの認識不足。行政がきちんとやっていれば炊き出しをする必要がない。渋谷区は、再開発により野宿者を追い出すことを繰り返している。そういう発想の元での多様性はゆがんでいるのではないか。」と話した。
YouTube版「炊き出しは政治活動」同性婚PRの渋谷区長
https://www.youtube.com/watch?v=vK2reeIUZqI
関連サイト
のじれん-渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合
http://nojiren.wix.com/index
みんなの宮下公園をナイキ公園化計画から守る会
http://minnanokouenn.blogspot.jp/