東京電力福島第一原発事故の被害を受け、全村避難が続く福島県飯舘村の住民2837人が14日、東京電力に対して謝罪や慰謝料の増額などを求めて、原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた。
今回、申立てを行ったのは、避難生活を余儀なくされている飯舘村の住民の約半数にあたる2837人。東京電力に対して、1人あたり月10万円の慰謝料を35万円に増やすことや、生活が壊されたことへの慰謝料として1人あたり2000万円を支払うことなどを求めている。
申立て後の記者会見で、飯舘村の住民代表の長谷川健一さんは、「飯舘村は放射能で汚されて元には戻らない。今までは国が助けてくれるだろうとじっと我慢していたが、住民が自ら賠償と謝罪求める。」と訴えた。
避難先の伊達市の仮設住宅で生活する菅野栄子さんは、「孫の写真を仮設の壁いっぱいに貼って生活している。原発さえなければ孫と一緒に飯舘村で生きていけた。今は難民だと思っている」と涙を浮かべ話した。