東京電力福島第一原発事故から3年目を2日後に控えた9日、市民らが官邸周辺(東京・千代田)で大規模な抗議活動を行った。主催者の発表で約3万人が参加。プラカードを掲げたり、ドラムを叩きながら「再稼働反対」や「原発輸出を許すな」などと声を上げた。
集会に先駆けて、日比谷野外音楽堂では集会が行開かれた。福島県から駆けつけた名木昭さんは「私の中の時計は震災発生の14時46分で止まったままだ」と述べ、事故が収束してないないにもかかわらず、再稼働を進める政府の姿勢を厳しく批判した。また音楽家の坂本龍一さんは、選挙に行かないような無関心な層にメッセージを届ける必要があると話し、震災後に鎮魂を込めて作曲し、1ヶ月かけて完成させた曲をで流した。
午後2時。デモは日比谷公園を出発。東電本店前、官邸前、国会前などを通過し、抗議活動を行った。国会前に設けられたステージでは、韓国や米国からのゲストも演説を行い、原発廃絶に向けた国際的な連帯強化を訴えた。一橋大学で学んでいるドイツからの留学生は「日本は、東欧にも原発輸出を計画している。自分にも大いに関係する問題だ」と参加の理由を説明する。また、今回初めてデモに参加したという中学3年生の菅原至さんは「学校では友人に原発の話をしても煙たがられる。若者同士がこういった問題について議論できる場が欲しい」と語った。
震災から3年目を迎える今年。3月7日から1週間を「脱原発ウィーク」を名付け、全国で様々なグループがデモを実施する。東京では3月15日にも同様の集会を開催する予定だ。