昨年12月に成立し、今年12月に施行される見込みの特定秘密保護法をめぐり、反対する市民らが2日、東京・杉並で勉強会を開いた。50代を中心に約100人が参加した。講師の学
習院大学・青井美帆教授は 、「成立の手順が正当性を欠く」と批判。反対の声をあげ続けることや、条文を読み解く力を身に付ける重要性を訴えた。
勉強会を主催したのは、杉並区在住のジャーナリストや大学教員などが呼びかけ人を務める「秘密保護法に反対する杉並アピールの会」。法案成立前から、署名を国会に提出するなど積極的に同法に反対する活動をしてきた。
勉強会の中で、青井教授は、「秘密保護法は、『知る権利』や『言論の自由』といった対抗利益への配慮が一切ない」と法律の偏りを指摘。また、成立前日になってようやく92ページにわたる法律概要が公開された過程についても、「一晩で精査できるボリュームではない。異常だ」と政府の姿勢を批判した。
今後の廃止に向けての取り組みについて問われると、具体的な戦略を示すことはできないとした上で、「条文は霞ヶ関文学的で堅牢。勉強して法案の偏りに気づくことが重要だ」と述べた。マスコミに活動を取り上げてもらう必要性も強調した。
事務局の丸浜江里子さんは「市民が納得しないことが大事。小さな声でもあげ続けたい」と語り、今後は、若い世代へも参加を呼びかけていく考えだ。
秘密保護法に反対する動きは全国的な広がりを見せており、1月には、25都道府県48団体が参加する「秘密法に反対する全国ネットワーク」が結成された。強行採決が行われた12月6日を忘れないために、毎月6日に反対行動を行っている。3月6日にも14都道府県で行われる予定だ。
写真提供:ふくしまゆみこ