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原子力規制委員会は30日、原発事故時などに住民が避難する基準を定めた防災指針の改定案を提示した。改定案では、原発から半径5キロ圏外の住民は、空間放射線量が毎時500マイクロシーベルトに達したら直ちに避難。毎時20マイクロシーベルト以上になった地域では、地域で生産された野菜や牛乳などの摂取を制限するとともに、1週間以内に一時移転することが示されている。
規制委員会は、同日から2月12日までパブリックコメントの募集を行い、パブリックコメントをどのように反映させるか検討し、2月20日の原子力規制委員会で改定案を決定する。
委員会を傍聴した国際環境NGOのFoEジャパンの満田夏花さんは、「放射線管理区域の基準は、0.6マイクロシーベルト。毎時20マイクロシーベルトでの避難は数値が高い。パブリックコメントの募集期間が2週間というのも短い。インターネットが普及していないところもある。原発立地周辺の人々にどう伝えるのか」と指摘した。
規制員会のスケジュールによると、パブリックコメントの締め切りから、改正案を決定する日程まではわずか8日。パブリックコメントをどのように活用するか問われると、田中俊一委員長は「建設的な意見が出るようになれば歓迎すべき制度。必ずしもそうでない場合もありますが、いろんな意見をお聞きする制度を活用していきたい」と答えたものの、今回の防災指針の決定に関して、市民の意見をどう反映させるか、具体的な方針については明言しなかった。
原子力災害対策指針(改定原案)に対する意見募集について
※意見提出期間:平成25年1月30日(水)~平成25年2月12日(火)
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu130130.html
【動画】1月30日(水) 10:30~12:00「第25回原子力規制委員会」
議題1 原子力災害対策指針(改定原案)について
議題2 核セキュリティに関する検討会設置要綱について
議題3 平成24年度第3四半期の保安検査の実施状況について
議題4 平成25年度予算案について
【配布資料】
資料1-1 原子力災害対策指針(改定原案)のポイント
資料1-2 原子力災害対策指針(改定原案)(新旧対照表)