日本原子力発電敦賀原発(福井県)の活断層調査をめぐり、規制庁の名雪哲夫元審議官が、公表前の報告書案を日本原電に渡していた問題で6日、原子力規制委員会は内規規定の見直しを決めた。内部で出された案では、事業者との儀礼のあいさつが5分を超えなければ、同席者の出席が必要ないとしたものであったが、島崎邦彦委員長代理から「儀礼とか面談とか区別しないで、何である時も2人で会うべき」と指摘があり、案は修正され同席者の義務付けが適用された。
島崎委員は、規制庁幹部の不祥事に対して謝罪。「規制庁の多くの職員が原子力安全・保安院の事務局の人々であって何も変わらないという批判があった。体制が変わって意識は変わっていると、信じていただいた皆さんに大変申し訳ない」と話した。
新たなルールでは、事業者との面談では必ず2人以上で対応をすること。5分以上の面談は、内容を公開すること。面談の予約・実施状況の公開などが義務付けられる。
今回の内部資料漏洩問題の経緯について、島崎委員は、「敦賀原発の破砕帯が問題となっている時に、たびたび面会していた。おかしいと思った人はいないのか?名雪審議官の部屋が孤立しているわけではない。」と話したが、規制庁の池田克彦長官は「各審議官の行動は把握していない。システムを変えて面談を把握したい」と説明。傍聴者からは「第3者機関できちんと調べてください」と経緯を明らかにし、公開して欲しいとの声が上がった。会議では、島崎委員以外のメンバーからの発言はほとんどなかった。
規制委員会が発足して4ヶ月、規制庁トップの不祥事が明るみになったものの、元審議官や日本原電への聴取は公開されず、問題解決しないまま会議は進み、新しい安全基準骨子案が了承された。規制委員会は7日から2月末までパブリックコメントを実施し、議論を重ね7月18日までに新安全基準を施行する。
資料「事業者との面談についてのルールの見直し」
最終版
http://www.nsr.go.jp/disclosure/meeting_operator/data/re_jigyosya.pdf
規制庁内部で作成された案
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0027_01.pdf