福島第一原発事故
2011/11/26 - 18:54

自主的避難者の補償は「見舞金」程度か〜原賠審

政府の原子力損害賠償紛争審査会は25日、東京電力福島第一原発の事故で自主的に避難した人に対する損害賠償について議論し、自主的避難者と残留者に差をつけず、同額の賠­償とする方向性が高まった。これに対し、自主避難者の問題にとりくむ市民団体等からは、見舞金程度の金額が配布されるのみとなる恐れがあり、実際に避難にかかった費用に比べて大幅な減額になるとして、批判の声があがってい­る。
 
この日、審査会で話し合われたのは、政府が指定する避難区域外の地域で、自主的に避難した人や留まっている人への補償額や期間、地域など。複数の委員から、自主的避難­者と残留者に差をつけず、同額の賠償とするべきとする意見や金額に差があると、行政手続きが煩雑になるなどのといった意見があがり、自主的避難者と残留者に差をつけ­ず、同額の賠償とする可能性が強まった。
 
これまで原子力政策に携わってきた一部の委員から、賠償額、期間­、対象地域等を大幅に狭めようとする発言が相次ぎ、「自主的な」避難者への補償は、見舞金程度の金額を、地域を限定して、子どもや妊婦のいる世帯中心に配布するというような、「損害賠償」とはほど遠い賠償枠組みとされる可能性が強まっている。
 
これに対し、これまで、自主避難者の問題に取り組んで来た国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)と福島老朽原発を考える会(フクロウの会)は、原子力損害賠償紛争審査会に対し、(1)一律一括の金額ではなく、避難費用の実費­がカバーできる賠償とすること(2)賠償期間は、少なくとも2年間とすることなどを求める声明を発表した他、署名活動を開始した。また、福島の子どもたちを守る法律家ネッ­トワーク(サフラン)も声明を発表する見通し。
 
原子力損害賠償紛争審査会
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/index.htm
「自主」避難者に、正当で幅広い「損害賠償」を求める署名
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-cdf5.html
 
≪情報をお寄せください≫
この番組は市民が参加できる、当事者の声を伝える番組を目指しています。番組冒頭のニュースや、特集で取り上げるテーマを、みなさまから広く募集しています。ぜひ、身近な出来事や特集して欲しいことをメールやファクスでお送りください。また、全国で地域の情報をお伝えいただくリポーターも募集中です。お気軽にお問い合わせください。
*Email:contact@ourplanet-tv.org
*FAX:03-3296-2730 begin_of_the_skype_highlighting              03-3296-2730      end_of_the_skype_highlighting

 

Standing Together, Creating the Future.

OurPlanet-TVは非営利の独立メディアです。視聴者の寄付を原動力に取材活動を展開しています。あなたもスポンサーとして、活動に参加してください。継続的に支援いただける方は会員にご登録ください。

※OurPlanet-TVは認定NPO法人です。寄付・会費は税額控除の対象となります。