政府の原子力損害賠償紛争審査会は25日、東京電力福島第一原発の事故で自主的に避難した人に対する損害賠償について議論し、自主的避難者と残留者に差をつけず、同額の賠償とする方向性が高まった。これに対し、自主避難者の問題にとりくむ市民団体等からは、見舞金程度の金額が配布されるのみとなる恐れがあり、実際に避難にかかった費用に比べて大幅な減額になるとして、批判の声があがっている。
この日、審査会で話し合われたのは、政府が指定する避難区域外の地域で、自主的に避難した人や留まっている人への補償額や期間、地域など。複数の委員から、自主的避難者と残留者に差をつけず、同額の賠償とするべきとする意見や金額に差があると、行政手続きが煩雑になるなどのといった意見があがり、自主的避難者と残留者に差をつけず、同額の賠償とする可能性が強まった。
これまで原子力政策に携わってきた一部の委員から、賠償額、期間、対象地域等を大幅に狭めようとする発言が相次ぎ、「自主的な」避難者への補償は、見舞金程度の金額を、地域を限定して、子どもや妊婦のいる世帯中心に配布するというような、「損害賠償」とはほど遠い賠償枠組みとされる可能性が強まっている。
これに対し、これまで、自主避難者の問題に取り組んで来た国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)と福島老朽原発を考える会(フクロウの会)は、原子力損害賠償紛争審査会に対し、(1)一律一括の金額ではなく、避難費用の実費がカバーできる賠償とすること(2)賠償期間は、少なくとも2年間とすることなどを求める声明を発表した他、署名活動を開始した。また、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(サフラン)も声明を発表する見通し。
原子力損害賠償紛争審査会
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/index.htm
「自主」避難者に、正当で幅広い「損害賠償」を求める署名
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-cdf5.html
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