1988年から消費者として東電本社との交渉を継続してきた「東京電力と共に脱原発をめざす会」(共の会)は7月23日、震災直後の事故経過に関して、東京電力から2度目の事故説明を受けた。
共の会は、まず前回に引き続き、東京電力が福島第一原発の事故原因を「14メートルに及ぶ想定外の津波」との発表を撤回していない点を追及。「想定外の巨大津波」と発表しているが、敷地内での高さ(浸水深)が想定外であっただけで、敷地内想定の不備であると指摘した。
また3号機4号機の建家の爆発について、水素爆発ではないのではないかと質問。3号機は水素ガスと考えるとエネルギー的に無理があり、4号機は位置的に矛盾があるとして、ガスの量や圧力の変化などについて解析し、何で吹き飛んだのか詳細な報告を求めた。
更に「共の会」側は、水位圧力に関するパラメーターのデータから、津波到達以前に、原子炉の冷却が不可能であった事に言及。地震後、格納容器内の圧力抑制冷却システムに異常は見られなかったとする東京電力側の見解に対し、公開された圧力データをもとに、配管の破断または破損の可能性があると厳しく追及した。東京電力は、いずれの質問に対しても、明確なデータを示して反論することはできず、前回同様、課題を持ち帰ることとなった。
原子力安全基盤機構は事故前、地震による配管の破断によって、画像注水が止まれば30分で燃料棒がメルトダウンし、3時間で圧力容器を貫通するシビアアクシデントについて解説したビデオを制作しているが、「共の会」の指摘が事実としたら、同機構の炉心溶融シミュレーションは、ほぼ的中していたことなる。
福島第一原発の津波高14メートルは誤り〜市民が追及
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