長崎で原爆の被害に遭いながらも、国が定めた「被爆地域」にいなかったため、被爆者と認められず、援護措置が限定されている「被爆体験者」と支援団体メンバーら10名が、11月17日、厚生労働省に「被爆地域拡大」と「被爆者健康手帳の交付」を求め、43万4346人分の署名を提出した。
長崎の被爆地域は原爆投下時の「長崎市」(旧長崎市)を基本に南北約12kmまでが「被爆地」と定められている。しかし、行政区分を基本に決められたため、爆心地からの距離が同じでも、対象外となる場所が多く残されている。
署名を提出した全国被爆体験者協議会の小川博文会長は、「ローカルの問題ではなく、全国から43万4346人分の署名が集まった。早く被爆者であるということを認めていただき、被爆者健康手帳の発行を1日も早くお願いしたい。」と訴えた。署名を受け取った、厚生労働省の原子爆弾被害者援護対策室 和田康紀室長は、「国の立場と皆さんの立場で開きがあるが、重い署名を受け取ったので、政務三役に要望を伝えたい」と話した。