2010/12/02 - 11:14

放送通信の免許事業の独立機関化はいかに

去年、12月総務省に設置された「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」が12月14日に最終回を迎えます。このフォーラムは、民主党が政策INDEX2009に掲げた「日本版FCC」構想を進めるものとして高い期待を抱いていましたが、ほとんどまともな議論のないままに、報告書が出されようとしています。
 
10月に「国民の声アイディアBOX」に、行政改革の面から以下の内容を提案しました。再掲しますので、ぜひご一読ください。

放送通信の免許事業・監理を独立機関へ
 
日本はOECD諸国の中で、唯一、放送や通信免許を国家が監理しています。
既得権を有する一部の事業者を優遇する放送通信政策(コミュニケーション政策)を改め
国民のコミュニケーションの権利を優先させた政策を推進するためにも、また
無駄に利用されている電波料などの使途を透明化するためにも、
放送通信の免許や監理を独立化する必要があると思います。
 
たとえば、予算などの面から見た場合、
世界で最も大きな権限を持つ米国FCCの年間予算は300億円で職員数は2000人。(2010年)
これに対して、日本にある全国の総合通信局の予算は147億円で職員数1439人と
一見日本は米国の半分程度の予算となっています。
(平成19年 地方分権改革推進委員会事務局による)
 
しかし米国のFCCは、運営予算をすべて電波料でまかなっているのに対し、
日本の場合、上記予算は国家予算でまかない
これとは別に電波料収入が年間650億円(平成19年実績)があり
これらは、国庫に入らず、総務省が独自に使用しています。
つまり、日本の放送通信行政には、国会予算147億+電波料797億円という
米国の2倍以上の予算が使われている計算になります。
 
また、日本の放送通信行政は、情報の公開や透明性が極めて低く
国民の声を吸い上げるシステムも一切ありません。
放送通信事業は、国民生活に非常に密接にかかわっているにも関わらず
事業者中心による事業展開しか行われていません。
日本でも、デジタル化が進む今のタイミングで、
市民のコミュニケーションの権利を中心にすえたメディアの法体系に
シフトする必要があると思います。

なお、ICTフォーラム最終回は、現在、傍聴を受け付けています。
 
今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム(第11回)
日時:12月14日(火)10:30~(1時間程度)
場所:総務省第1特別会議室(中央合同庁舎第2号館 8階)
議題(予定):報告書(案)について インターネット配信あり
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/kenri_hosyou/37582.html
 
お申し込み先
情報通信国際戦略局情報通信政策課 (担当:長谷川課長補佐、豊重主査)
電話:03-5253-5719  FAX:03-5253-5945
E-Mail:ict-kenrihoshou@soumu.go.jp

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