政府は15日、「原子力損害賠償紛争審査会」の初会合を開催し、福島第一原発の事故による損害賠償の範囲を決める議論に入った。同審査会の開催については、傍聴の定員が50人の上、13日午前に開催を告知し、翌日14日の14時が締め切りだったことから、フリーのジャーナリストや一般の市民などから苦情が上がった。
初会合では、まず、農業や漁業、運輸、観光など各産業ごとにどのような損害が出ているのか、各省庁から報告が行われた。能見会長は、政府の指示で避難を余儀なくされた住民について、避難の費用だけでなく精神的な苦痛なども賠償の範囲にするとした指針を提案する意向を示した一方で、出荷制限や風評被害については、今後の検討課題とした。また、放射能により健康被害の評価についても、委員の間で意見が分かれている。次回の会合は22日午前の予定。
審査会に関する只野靖弁護士(浜岡原発運転差止裁判弁護団)の解説
http://www.ustream.tv/recorded/14038335
動画は後半の委員による議論(30分)。各省庁の報告(90分)を含めた原子力損害賠償紛争審査会全編はニコニコ生放送でご覧いただけます。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv46685832?from=lv46641583
原子力損害賠償紛争審査会
http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/baisho/1304882.htm
原子力損害賠償紛争審査会委員
◎能見 善久(学習院大学 法務研究科 教授)
大塚 直(早稲田大学大学院 法務研究科 教授)
鎌田 薫(早稲田大学総長、早稲田大学大学院 法務研究科 教授)
草間 朋子(大分県立看護科学大学 学長)
高橋 滋(一橋大学大学院 法学研究科 教授)
田中 俊一(財団法人 高度情報科学技術研究機構 会長)
中島 肇(桐蔭横浜大学 法科大学院 教授/弁護士)
野村 豊弘(学習院大学 法学部 法学科 教授)
山下 俊一(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 研究科長)
米倉 義晴(放射線医学総合研究所 理事長)