「福島老朽原発を考える会」と「国際環境NGO FoEJapan」は7月22日、放射能の影響を避けるため県外へ自主避難した人や避難を考えている人を対象としたアンケート結果を発表した。その結果、避難ができない理由としては、「経済的な不安」「仕事上の理由」が多く、避難をした人にとっても、福島と避難先での二重生活に伴う費用の増加が問題となっていることが明らかになった。
アンケートを実施したのは7月5日~24日の20日間で、272の回答が寄せられた。その結果、「避難を考えてるか」の問いには、「避難を考えていない」と回答したのがわずか8人であったのに対し、「避難先も含めて具体的に検討している」は81人、「まだ具体的には検討していないが考えている」「すでに避難している」がともに84人にのぼった。
(アンケート結果)避難を妨げている理由は何ですか?
避難をしたいと思っていても避難できない理由としては、「経済的に不安である」 「仕事上の理由」が高く、「家族の同意を得られない」「避難先が確保できない」を上 回った。自由記述では、「住宅ローンを抱えている」「避難区域外の避難に周囲の理解が得られない」「家族がばらばらになってしまう」「自分だけ避難することに対する罪悪感」「避難先で子ども がいじめられないか」「安全な避難先がない」などの理由が挙げられた。
また、既に避難を経験した回答者は、かかった費用として「避難先の家賃(敷金・礼金)、引っ越し費用、避難先を探すための交通費、福島に定期的に戻るための費用、もとの仕事に通う交通費」をあげており、具体的には引っ越しだけで30万、家賃を入れると100以上を支出していた人もいた。
一方、「避難に対して国や行政に支援して欲しい事柄はなんですか」(複数回答可)との問いに対しては、「子供たちの優先避難」「避難区域の拡大」「食品の調査」「除染の徹底」「元の家の買い取り」「被ばくの検査と継続的な健康管理」などが上げられたが、中でも多かったのが「避難に係る費用の補償」が243人、「被ばくの徹底調査」が219人、「避難先のあっせん」165人であった。
(アンケート結果)避難に関して国や行政に支援してほしいことがらは何ですか?
アンケートを行った福島老朽原発を考える会」と「国際環境NGO FoEJapan」は、「「自主」避難への賠償の確立および、避難区域外の避難に関して社会的な認知が求められている」としている。
アンケート結果
http://dl.dropbox.com/u/23151586/right_for_resettlement_result_questionn…