厳しい経済環境が続く中、生活保護受給者が増えている。去年11月、生活保護の受給世帯数が142万世帯を上り、過去最多となった。そんな中、厚生労働省は、生活保護受給者の増加に歯止めをかけようと、生活保護法の改定案を今国会に提出することを検討している。
今回、政府が改定に動いている背景には、去年10月、全国の指定都市の市長でつくる「指定都市市長会」が、生活保護の増加によって地方の財政負担が増しているとして、国に対して、生活保護制度の抜本改正を求める提言を行ったことがある。提言には、生活保護を期限付きにすることや、医療費の一部を自己負担する制度の導入などが挙げられている。
しかし、財政的な理由だけで、安易に受給法制限を導入する政策に対し、様々な批判の声が上がっている。憲法25条に掲げられた生存権を守っていくために、生活保護はどうあるべきなのかー。「こう改善してほしい」「こんな改悪はあってはならない」という2つの視点から、現場の提言を聞いた。