福島第一原子力発電所の事故を受け、脱原発を訴え、5月8日、約1万5000人が渋谷の街をデモ行進した。集まった人々は、「原発やめて!」「今すぐ止めよう!」と抗議の声をあげた。
主催したのは、高円寺のリサイクルショップ「素人の乱」経営者の松本哉さんや、ミュージシャンや若者たちで、前回4月10日に高円寺で行われ1万5000人を集めた「反原発」デモの2回目。
巨大なスピーカーを積んだサウンドカー4台には、DJやミュージシャンが乗り込んでライブパフォーマンスをしながらデモ隊を先導。雨が降る中、集まった1万5000人が音楽に合わせて踊ったり、「原発やめて!」「今すぐ止めよう!」と抗議の声をあげた。
デモに参加していた神奈川県で有機農業をしている片柳義春さんは、30年前、浜岡原発が出来るときに、原子力と人間は共存できないと考え、座り込みをしていたという。今回のデモについて「若い人が多く、心強い。自分たちの問題として社会に出てきていて希望がもてる」と話した。
福島の妊婦さんと乳幼児が30キロ圏内から避難出来るように願って署名を集めているプロジェクト「Moms & Children Rescue FUKUSHIMA」のメンバーの若者2人も、署名を呼びかけており、山口県から来た男性は「1人が声をあげることで必ず変わっていく」と訴えた。
また、Twitterで知りあたった人たちが協力し、「福島のいま」という、子どもの20mSv問題や、福島の人々の置かれている現状を訴えるチラシを制作し、2300枚を配布した。この活動に参加した東京在住の20代前半の女性は、「上の世代の人たちはTwitterなどをやっていないし、実際に手渡しでチラシを配って、東京の人たちに福島の現状を伝えたい」と話した。
主催者の1人で「素人の乱」の松本哉さんは、「4月10日の高円寺デモで盛り上がったけど、その後、事態を沈静化するニュースが多くなっていた。日常生活に戻りつつある中で、これだけの人が反対しているということは皆が強く想っているということ」と話す。
■関連サイト
Moms & Children Rescue FUKUSHIMA
http://www.mcr-fukushima.net
「福島のいま」というチラシ(PDF)
http://xfs.jp/717IZ
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