子ども被災者支援法
2013/04/02 - 13:42

“自主避難者” “健康調査” おきざり〜支援法をめぐり応酬

復興庁が、子ども被災者支援法の「基本方針」策定を先延ばしにしている問題をめぐり、政府に対し、国会や記者会見などで厳しい質疑が続いている。3月25日の衆議院の東日本大震災復興特別委員会では、福島県以外での健康診断に関する質問が相次いだほか、4月2日の大臣会見でも厳しい質問が続いた。

3月25日の復興特別委では、複数の議員が子ども被災者支援法や支援パッケージについて質問した。日本維新の会の小熊慎司議員は、対象地域の基準の検討が年内とされていることに対し「遅すぎるのではないか」との指摘。基本方針の策定までに開催するとされている意見聴取会の日程を明示するよう迫った。しかし、復興庁の根本匠大臣は、基本方針の策定までに政府の考えを整理し、パブリックコメントの実施などご意見をきく機会を設けると回答するに留まった。

同じく日本維新の会で、千葉県選出の椎木保議員は、千葉県の9つの自治体が、「基本方針の早期策定を求めて復興庁に申し入れを行っていることに触れ、福島県以外でも健康調査を実施するよう求めた。これに対し、環境省環境保健部の佐藤敏信部長は、各県がそれぞれ有識者会議を開催し、健康管理の必要はないとの結論を出していると説明。国の責任によって健康調査をする必要はないとの考えを示した。

更に、共産党の高橋千鶴子議員は、健康調査は国の一元的な管理のもとで実施すべきだと主張したが、これに対しても、根本大臣は「環境省によって適切に対応がなされている」として、子ども被災者支援法に沿った支援策は示さなかった。

このほか、4月2日の記者会見では、子ども被災者支援法の基本方針の代替として示されている「支援パッケージ」について、「自主避難者への支援が不十分ではないか」「子ども被災者支援法の理念をどう捉えているのか」といった質問が相次いだが、根本大臣は、地域ごとの支援策を実施していると強調するのみで、「自主避難者」に対する支援策や福島県外の健康調査についての回答を避けた。会見は記者の質問を遮る形で終了した。

参考リンク
原子力災害対策本部会合(2013年3月7日)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/pdf/gensai_gaiyo_29.pdf
原子力災害による被災者支援施策パッケージ(復興庁 2013年3月15日公表)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/post_174.html
根本匠復興大臣のコメント(2013年3月15日の記者会見)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/25315_3.html
原子力災害による被災者支援施策パッケージに対する緊急声明
http://ow.ly/iZ9ZQ
原発事故子ども・被災者支援法法文(2012年6月27日成立)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H24/H24HO048.html
福島ふるさと復活プロジェクト(復興庁 2013年2月15日公表)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/20130215_sokatsuhonbu_shiryo3.pdf

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