OurPlanetTVが原子力規制委員会に情報公開請求をしていた書類が実際には実在するにも関わらず、「保有していない」との理由で不開示決定にされていたことが9日、わかった。
問題となっているのは、OurPlanetTVが先月10月1日に情報公開請求していた原子力規制委員会の職員名簿。OurPlanetTVは、原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁職員の大半が、旧保安院や原子力安全委員会、文科省の原発担当者で占められていることから、職員の出身母体の構成を知るために請求手続きをしていた。
ところが、請求後まもなく原子力規制委員会の担当者から電話があり、出身母体を示した名簿はないとの連絡が入ったため、出身母体が記載されていない名簿でも構わないので、その部分を修正して公開して欲しいと要求。しかし、その後、特に連絡がないまま、10月22日付けの情報開示決定通知が届いた。
開示決定は「不開示」。不開示とした理由には、「該当する行政文書は、作成も取得もしていらず、保有していない。」との記載があった。
しかし、OurPlanetTVは、独自に原子力規制委員会の名簿を入手。開示決定の理由が事実と反することが明らかになった。
OurPlanetTVは、この問題について9日、森本英香次長の記者会見で問いただすと、森本次長は「ないものは出せないという状態なんだろうと思います」と回答。手もとにあるから確認して欲しいと求めると、個別の質問には答えられないとした上で「決済してるので正当だろうと考えている」回答した。
OurPlanetTVは、原子力規制庁の前進の原子力安全規制組織等改革準備室にも同じように、職員名簿の情報開示請求をしており、その際は全ての名簿が開示されている。情報の公開制や透明性が問われている原子力規制委員会。初の情報公開でいきなりの不開示決定に、新しい組織への不信がまた一つ高まった。