(毎日新聞でも報じられた7月3日の「放射線被ばくと健康管理に関する市民・専門家委員会による復興庁申し入れの様子。一部抜粋)
「原発事故子ども・被災者支援法」の支援対象地域づくりに関連し、復興庁は今年3月、策定に関する責任の所在を先送りする方針を、関係省庁との間で合意していたとの報道を受け、市民団体らが、復興庁に対し抗議の質問書を提出した。
復興庁に質問書を提出したのは、「子ども・被災者支援法」の具体化を求めて活動をしている「原発事故子ども・被災者支援法市民会議」。新聞報道が事実であるとすれば極めて遺憾であるとして、新聞報道されている「2013年3月8日」の会議録の公開や基本方針策定のスケジュールなどを明らかにするよう求めた。
報道によると、復興庁は今年2月、被曝線量の基準を審議する放射線審議会を所管する原子力規制委員会に対し、支援法の縁量基準をまとめるように打診したものの、規制委員会が反発。関係機関と協議したが結論が出なかったため、線量の基準の検討を参議院後に先送りすることが合意されたという。
この先送りが合意された当時、復興庁で「子ども・被災者支援法」を担当していた水野靖久元参事官は、3月8日の自身のツイッターに「今日は懸案が一つ解決。正確に言うと、白黒つけずに曖昧なままにしておくことに関係者が同意しただけなんだけど、こんな解決策もあるということ」という投稿をしていた。
水野氏の暴言ツイッター問題の処分を発表する際、水野氏の直属の上司にあたる岡本統括官はこのツイートに関し、「懸案が解決」というのは、「複数の省庁にまたがるある施策について協議していたものが完了して、出来るようになったことを指している」と説明。「白黒つけずに曖昧なまま」という「この件について、国会質問の担当を決められなかったこと」を指していると回答していた。
水野氏に暴言を受けた市民団体「放射線被ばくと健康管理に関する市民・専門家委員会」は7月3日に、同じく水野氏の上司にあたる伊藤仁統括官に申し入れを行った際に、このツイート発言について質問した。これに対し、伊藤氏は「この書き込みは、支援策を先送りするという意味ではありません。具体的な施策について、特定するのは差し控えたい。復興庁はとりまとめ官庁で、実施する官庁との関係で、どちらが国会などで主として答弁書を作成したり、当事者として答えるか調整するということがあり、パッケージに関連する施策だったと思いますが、通告された段階で、趣旨を踏まえて回答するということになったということです。」と岡本統括官とほぼ同じ内容を述べた。しかし、実際に「線量基準」の検討状況について問われると、原子力規制委員会の議論を参考にすると述べるだけで、具体的な回答を避けた。
「子ども・被災者支援法」に関しては、2012年6月27日に施行して1年以上になるが、基本方針が策定されていないどころか、法律の具体化に関して一度も会議が開催されていないことが、既に明らかになっている。
「子ども・被災者支援法の先送り問題」に関する 要望書
http://www.foejapan.org/energy/news/130801.html
原発事故子ども・被災者支援法(しえんほう)市民会議
http://shiminkaigi.jimdo.com/