「自分たちらしいデモをしたい」
特定秘密保護法案に反対する大学生ら約500人が1日、東京・新宿でデモを行った。九州や東北などからも学生が参加した。「これが僕たちの民主主義の形だ」「私たちの話を聞いて」などの声をあげ、沿道の歩行者にもデモへの参加を呼びかけた。先週末に渋谷で行われた20歳以下の学生デモに続き、2週連続の学生デモとなった。
デモを呼びかけたのは、「特定秘密保護法に反対する学生有志の会」。首都圏の19大学に通う学生約20人が主要メンバーだ。官邸前の抗議活動で知り合った。議論を重ねる中で自然とデモの企画が持ち上がったという。1月14日には「安易な革命でもなく、ニヒリズムでもない。私たちは主張します。」というメッセージを掲げ、フェイスブックページを開設。ユーチューブへの動画投稿や、キング牧師をアイコンにしたチラシの配布などで参加を募ってきた。
デモは午後2時半に新宿柏木公園を出発。主催者たちが「かっこいいデモを」と口を揃えて語っていた通り、先頭を走るサウンドカーから好きな曲を流しながら、音楽の歌詞を楽しそうにコールした。
「秘密が増えれば綺麗な物しか見えなくなる」と語ったのは生田みずきさん(21歳・大学生)。「何も知らずにニコニコ死ぬことになるのは嫌」と訴えた。先週末の学生デモを呼びかけた長島可純さん(19歳・大学生)は2週連続で参加。「こうして全国から学生が集まるのは頼もしい」と笑顔で語る。
仕事を抜け出し見学に来たという40代の男性は「自分自身も上の世代の感覚にズレを感じることがある」とし、「自然発生的に学生たちが動き出したことに意味がある」と若い世代のムーブメントに期待する。
呼びかけ人のひとり、山本雅昭さん(24歳)は「デモは『ダサい』というイメージを払拭して、裾野を広げたかった」とデモの狙いを語る。広報担当の奥田愛基さん(21歳・大学生)は、「学生の立場から与野党に政策提言したり、公開討論会を呼びかけること。そのための環境を整えたい」と目標を語った。