東京電力福島原発事故の被災者救済を求める市民団体が28日、国会内で集会を開き、「原発事故子ども・被災者支援法」の具体的な施策の早期実現を求める署名約12万人分を国会議員に手渡した。11月に提出された署名とあわせると20万筆にのぼる。
署名を提出したのは、原発事故の被災者や支援者でつくる「原発事故被害者の救済を求める全国運動」のメンバー。「子ども被災者支援法」は2012年6月に超党派の国会議員による議員立法として提出され、全会一致で成立したものの、去年秋に閣議決定された基本方針は被災者の求める内容とはほど遠く、事実上の「骨抜き」だと批判されている。
集会には、被災者や支援者など約180人が参加。福島県郡山市から家族四人で静岡県に移住した長谷川克己さんは「子どもたちの未来を切り開くための闘いです。子どもたちの健康被害の問題は現在進行形であり、大人として現実を見つめ、それぞれが行動を起こしてほしいと思います」と力を込めて訴えた。
集会には野党5党の国会議員が出席。被災者たちは「政治の力を信じさせて下さい」「本腰を入れて身のある法案にして欲しい」など、思い思いの言葉を口に、段ボール22箱分の署名を手渡した。
団体は、去年11月にも被災者や支援者の意見を反映する常設機関の設置や福島県外での健康調査などを求める請願署名約8万人分を提出。要望のうち、賠償期間の延長を求める請願は国会で採択され、今年3月に打ちきられる予定だった賠償請求期間が、被害が明らかになってから10年に延長されている。
※同集会において、「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)」事務局次長の江口智子弁護士が、「子ども被災者支援法」をめぐる諸問題について解説した。分かりやすく現状をとらえているのでノーカット版で掲載する。