マフラー、コート、手袋ー。
1月17日、国会の周辺には、赤いファッションに身を包んだ女性たちが続々と集まり、国会が赤一色に包まれた。集団的自衛権行使容認や改憲に反対する女性たちが、赤いファッションを身につけ国会を囲む「女の平和」ヒューマンチェーン。約7000人(主催者発表)の参加者が手をつなぎ、「安倍政権にレッドカードを」と声をあげた。
「女の平和」というイメージを思い立ったのは、元中央大元教授の横湯園子さん75才。焼け野原の中を生き延び、5才ので終戦を迎えた。「(戦争の)恐怖感は未だにフラッシュバックするほどです。ですから集団的自衛権行使が容認されたらどうなるのかという危機感は並のものではありませんでした。」
どうやったら現状を食い止められるのかー。悩んでいたある日、布団の中で「女の平和」という言葉が浮かんできたという。すぐに起き上がってパソコンで「女の平和」と検索すると、アイスランドの女性たちが地位向上求めて1970年代に、赤いストッキングをはいて家事を放棄した「レッドソックス運動」が出てきた。「人口の半分の女性がたちあがれれば」と思い立ち、2人の友だちに声をかけたのが始まりだという。自身も赤いベレー房に赤いボレロに身を包みこう語る。「安倍政権は全身全霊をかけてこの問題に取り組むと言っているので、私たちも全身全霊をかけて反対し、食い止めたい」
沖縄から国会前に駆けつけた「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんは「気持ちは、本当は沖縄に残っていたいほどの気持ち。今、この時間も辺野古では座り込みをしていて、強制排除によって女性達がけがをしたりしている。集団的自衛権をレッドカードだと言っていますが、集団的自衛権行使容認はまさに基地建設とつながっている。今、刻々と進んでいる辺野古の基地建設にNO!を言っていけたらと思います」と話した。
この他、国会前に設けられたステージでは、音楽評論家の湯浅れいこさんや作家の澤地久枝さんなどが次々にマイクを握り、安倍政権の進める安全保障政策に対し抗議の声をあげた。そんな中、「国内で既に平和ではない状況になっている」と訴えたのはしんぐるまざーずふぉーらむの赤石千衣さん。一人親家庭の子どもたちの間に貧困の連鎖が起きていているとした上で、貧困が加速する中で「国への誇り」に依存し、排外主義に走る子どもたちがいると指摘。「今、日本の国内にある、あたかも戦争状態のような大変な思いをしている子どもたちや若者の問題を解決しない限り、のこの問題は解決しない」と訴えた。
参加者は「女たちは集団的自衛権の行使を認めません。女たちは人が殺し合うのは嫌です」「戦争反対」「命を守ろう」安倍経験にレッドカードをつきつけます」「レッドカードレッドカード安倍政権」とのシュプレヒコールをしながら、手をつなぎ、国会を包囲した。