都会のオアシスとして親しまれてきた渋谷区の宮下公園のビル開発工事が始まるのを受け、反対する市民らが14日、工事の事業主体となっている三井不動産に対して抗議の申し入れを行った。
今回、申し入れを行ったのは、宮下公園の再開発問題に取り組んでいる市民ら20人。野宿労働者の排除や、公園の商業化に抗議する申し入れ書を手渡そうと面会を求めたが、警備員が取り次ぎを拒否した。
このため、メンバーらは三井不動産前の路上に「宮下公園をとりもどそう」と書かれた横断幕で広げ、「野宿者排除をやめろ」「6月の工事着工を中止しろ」と抗議の声を上げた。
更地となっている宮下公園(5月10日撮影)
宮下公園をめぐっては、渋谷区が耐震工事を名目とした、大規模な再整備事業を計画。5階建ての商業施設と18階建てのホテルが建設され、公園は商業施設の屋上に整備される。
工事は6月から始まる予定だか、工定表は近隣住民以外に配布されただけで、渋谷区はホームページにも公開していない。
申し入れを行った「宮下公園ねる会議」は、これまで8回三井不動産に申し入れに訪れているが、いずれも受け取りを拒否されている。メンバーの首藤久美子さんは「公園の再開発という公共性のある工事なのに、申し入れ書を受け取らないのはなぜか」「公共空間がお金もうけのために使われる再開発だ」と三井不動産と渋谷区の体質を批判した。
同団体は、今月31日に工事の中止を求めるデモを行う予定だ。
関連リンク
宮下公園ねる会議による5月31日(木)デモ詳細
http://minnanokouenn.blogspot.jp/
渋谷区・宮下公園資料
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shisetsu/koen/park.html