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原発事故時0歳と2歳が甲状腺がん〜福島県の健康調査

投稿者: ourplanet 投稿日時: 木, 01/14/2021 - 00:46




東京電力福島第1原発事故に伴う福島県民の健康調査について議論している「県民健康調査」検討委員会が15日、福島市内で開かれた。今回初めて、事故当時0歳だった女児と2歳だった女児の二人の乳児が甲状腺がんと診断されたことが分かった。

資料 https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-40.html

今回、新たに公表されたのは、昨年6月までの甲状腺検査4巡目の結果。穿刺細胞診で甲状腺がんの疑いがあると診断された子どもは前回より6人増えて27人に、甲状腺の摘出手術を受けた子どもは前回より3人増え16人となった。先行検査からこれまでに甲状腺がんないし疑いがあると診断された患者は252人に達し、このうち203人が甲状腺手術を実施。1人を除く202人が甲状腺がんと確定した。



また4巡目の検査では、今回初めて、事故当時0歳だった女児と2歳だった女児がそれぞれ甲状腺がんと診断されたことが分かった。検査の年齢は実年齢ではなく、学年ごととなっているため、検査時年齢はそれぞれ9歳(小学校3年)と11歳(小学校5年)となる。なお、27 人の前回の検査結果は、結節も腫瘍もなかった「A1判定」が 5 人、5ミリ以下の結節ないし2センチ以下の嚢胞があった「A2判定」が16 人、5ミリ以上の結節または2センチ以上の嚢胞がある「B 判定」は5 人、未受診が 1 人。腫瘍の大きさは最も小さい人が 6.1 ㎜、最も大きい人は29.4 ㎜だった。



4巡目の検査結果で際立つのは、甲状腺がんと診断された人の被曝線量の高さだ。穿刺細胞診で悪性の疑いがあると診断された27人のうち基本調査問診票を提出した 11 人(40.7%)の事故後4ヶ月の被曝線量は、1mSv未満が2人(18.1%)、1mSvから2mSvは4人(36.3%)、2mSvから5mSvは5人(45.5%)と、2mSv以上被曝した子ども人数が最も多い。特に事故当時5歳だった男児2人はともに2mSv以上となっている。

福島県民全体の基本調査結果では、1mSv未満が62.2%、1mSvから2mSvは31.6%、2mSvから3mSvは5.5%となっており、甲状腺がんとなった子どもたちの被曝線量は、一般の傾向と大きく異なっている。



学校での集団検査の見直しへ
今回の検討委員会では、学校での一斉検診見直しへ大きく舵が切られた。200人以上もの甲状腺がんが見つかっている同検査では、被曝との影響を否定する専門家の間で、本来見つけなくても良い甲状腺がんを見つけているとする「過剰診断」論が上がっており、学校での集団検診を見直すべきとの意見が強まっている。

こうした意見を踏まえ、検討委員会は前回8月31日、県内の学校での聞き取り調査を決定。今回は、県内26の小中学校と高校で県が実施した調査結果の報告があった。

多くの学校で、甲状腺検査が授業時間に行われていたことについて、国立がん研究センターの津金昌一郎委員は、「これを受けないということは、相当強い意志がないとできない」と批判。「検査による利益は、陰性になった時に安心が得るということを除いてはない。甲状腺がんの発見により、死亡やQOL低下を避けることができる利益はほとんどなく、特に甲状腺がんと診断される人たちにとっては、甚大な不利益をもたらすものと私は考えている。」と持論を展開した上で、「無症状な健康な人たちの集団での甲状腺検査は、望ましいものではないと」と学校での集団検診をやめるよう求めた。。

また広島大学の稲葉俊哉教授も学校検診で「置き去りにされているのは本人たち」と切り出し、「親は心配でしょうがない。学校は会場を貸している。県立医大の方は検査をしている。それぞれの立場はよくわかるが、結局、放置されているのは本人たち」と発言。調査の主体である県や医大が、児童や生徒に対して検査の意義や拒否することができることをもっと説明すべきだと強調した。



これに対し、福島大学の富田哲教授は真っ向から反論。「福島県民の多くが健康への不安を抱えている」として、県民健康調査委員会の委員の、特に福島県外の委員から検査の中止や縮小を求める声があがっていることを批判。甲状腺検査が福島県民の不安解消には重要であるとの見方を示し、「福島県民の特に子供のいる人たちの不安が置き去りにされている」「簡単に縮小方向にいくことは危険な考え方」だと指摘した。

同じく福島県在住で学校とも関わりの深い福島県臨床心理士会の安倍郁子会長も、「富田先生のご意見に賛成」だとこれに同調。「福島県民が抱えている放射線への不安を考えると、甲状腺検査は非常に安心材料につながっている」と述べ、「検査を縮小もしくはなくして、しまうことはやはり反対の立場をとらせていただきたい」と訴えた。

議論の中で目を引いたのは、環境省保健福祉部の田原克志部長の存在感だ。環境省から検討委員会に参加する委員は従来も、多くを語らない一方、政策変更の重要局面で役割を果たしてきた。今回も田原氏は、福島医大への送付が遅れている家庭に対し、期限を過ぎた場合に再度、提出を促すなど、学校側が検査の実施に協力している点を問題視。学校で検診を受けている子どものの約3割について、学校側が同意書の回収を肩代わりしていることなどを確認するなど、この点について集中的に質問を重ねた。

検査対象者へのヒヤリング実施へ
学校に対する調査を受け、県は、検査を受けた児童や生徒などから直接話を聞く場を持つことを提案。聞き取りを受ける対象者の代表性に疑問があがり、アンケートなどの量的調査を求める意見が出たが、調査に時間がかかりすぎるなどの理由で、県の提案を了承することとなった。

この「聞き取り調査」をめぐっては、パイロットスタディーなら止むを得ないという意見や、甲状腺がんと診断される患者の声も聞くべきとの意見など、内容の中立性をめぐって厳しい議論が交わされたが、星座長の強力な押し戻しで、対象者の選択や開催方法は座長と県に一任することとなった。次回の会合には、結果が報告されるという。

今回の「聞き取り」で、学校での集団検診見直しへさらに舵が切られたことに対し、甲状腺がんの家族をサポートする「甲状腺がん支援グループ・あじさいの会」の千葉親子さんは「事故当時0歳や2歳の子の中で、甲状腺がんの子がでてしまい胸が痛む。甲状腺がんにも再発や転移があり、早期発見早期治療は子どもにとって有益だ。この子たちのがんが、学校の検査で見つかったのだと思うと、学校検査をなくすという議論はあり得ない。」と憤る。同グループでは過去3回、県に対して申し入れを行っており、検査の縮小に対し反対している。



甲状腺検査に関する動画・記事
2020年
甲状腺摘出手術200人〜福島県の甲状腺検査(2020年8月31日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2517/
甲状腺検査サポート事業の受給者314人~福島県(2020年6月25日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2505
福島県・甲状腺検査を延期〜学校検査は9月以降(2020年5月11日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2499
小児甲状腺がん悪性疑い236人〜福島健康調査(2020年2月13日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2469
福島の小児甲状腺がん180例を症例報告〜「過剰診断」を否定(2020年3月3日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2467
がん登録を活用した患者数把握へ〜甲状腺検査評価部会(2020年1月20日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2463
2019年
甲状腺がん疑い230人〜福島県検査で13人増加(2019年10月5日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2440
甲状腺がん報告書を一部修正〜「被曝と関係認められない」見直し(2019年7月5日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2411/
委員、直前まで知らされず~被曝否定の根拠データ(2019年6月28日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2410
甲状腺がん患者が福島県へ要望書〜県民の意見の反映求め(2019年6月18日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2406
甲状腺がん「放射線関連なし」 〜一度も議論せず報告書公表(2019年6月3日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2402
甲状腺がん悪性疑い211人〜福島県集計データ(2019年04月08日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2387
甲状腺サポート事業「全員甲状腺がん」は誤りと謝罪〜実態は不透明(2019年3月14日 ) http://www.ourplanet-tv.org?q=node/2382
第12回「県民健康調査」甲状腺検査評価部会(2019年2月22日)
甲状腺検査は「益」か「害」か〜同意書をめぐり平行線
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2370

2018年
第33回「県民健康調査」検討委員会(2018年12月26日)
「混迷する福島の甲状腺検査〜専門家が2時間半議論」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2349
小児甲状腺がん少なくとも273人〜福島サポート事業で判明(2108年12月14日) http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2342
第11回「県民健康調査」甲状腺検査評価部会(2018年10月29日)
被曝量と甲状腺がんの関係を検討へ〜福島県
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2320/
第32回「県民健康調査」検討委員会 (2018年9月5日)
甲状腺がん集計外含め211人〜福島県
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2306
新たな誤集計が発覚〜甲状腺がん手術症例にミス(2018年8月3日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2275
第10回「県民健康調査」甲状腺検査評価部会(2018年7月8日)
集計漏れ11人〜福島県の甲状腺がん209人へ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2275
第31回「県民健康調査」検討委員会(2018年3月5日)
甲状腺がん悪性または疑い200人超え〜福島県が公表(2018年6月18日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2269
第30回「県民健康調査」検討委員会(2018年3月5日)
福島・甲状腺がん196人〜「学校検診見直し」検討へ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2228
第9回「県民健康調査」甲状腺検査評価部会(2018年1月31日)
甲状腺検査の見直し検討本格化〜学校健診打ち切りへ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2215

2017年
第29回「県民健康調査」検討委員会
甲状腺検査4巡目に向け激論〜学校検診の行方は?(2017年12月25日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2204
第8回「県民健康調査」甲状腺検査評価部会(2018年11月30日)
鈴木元氏が部会長へ〜甲状腺がんの健康影響評価
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2194
甲状腺検査の検討はじまる〜国際がん研究機関(2017年10月23日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2179
小児甲状腺がんのDNA解析〜研究拠点は長崎大(2017年8月31日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2160
存在していた!福島医科大「甲状腺がんデータベース」(2017年8月30日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2158
第28回「県民健康調査」検討委員会(2017年10月23日)
福島の小児甲状腺がん194人に〜手術は154例
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2176
甲状腺検査の専門家会議〜環境省が全額負担(2017年6月9日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2137
第27回「県民健康調査」検討委員会(2017年10月23日)
甲状腺がん190人〜公表データ以外の把握、検討へ(2017年6月5日)
http://www.ourplanet-tv.org?q=node/2135
184人以外にも未公表の甲状腺がん〜事故当時4歳も(2017年3月28日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108
第26回「県民健康調査」検討委員会(2017年2月20日)
環境省より国際がん研究機関での検討が提案
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2102

2016年
第25回「県民健康調査」検討委員会(2016年12月27日)
福島の小児甲状腺がん疑い含め183人〜2巡目で68人
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2083
甲状腺検査の見直しを提言〜山下俊一氏ら専門家(2016年12月9日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2077
第24回「県民健康調査」検討委員会(2016年9月14日)
福島調査・甲状腺がん疑い2巡目だけで59人〜計174人
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2059
第23回「県民健康調査」検討委員会(2016年6月6日)
事故時5歳児、甲状腺がん~悪性・悪性疑い172人
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2049
第23回「県民健康調査」検討委員会(2016年2月15日)
甲状腺がん悪性・悪性疑い166人〜福島県調査
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2028
甲状腺がん「信頼性高いリスクの推定を」〜国際環境疫学会が忠告(2016年2月9日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2026

2015年
第22回「県民健康調査」検討委員会(2015年11月30日)
甲状腺がん悪性・悪性疑い152人〜福島県民健康調査
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2004
甲状腺がん「チェルノブイリの多発傾向と酷似」〜疫学専門家(2015年10月8日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1989
福島の小児甲状腺がん「被曝による発生」〜医学誌に論文(2015年10月7日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1984
甲状腺がんの「被ばく影響研究」メンバーに祖父江氏(2015年9月29日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1983
福島県の甲状腺検査「新秘密会」?〜山下俊一氏が座長(2015年9月2日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1974
第21回「県民健康調査」検討委員会(2015年8月31日)
甲状腺がん疑い含め137人へ、2巡目は25人〜福島健康調査
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1969
北茨城市検査で、小児甲状腺がん3人(2015年8月27日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1968
「福島県は世界最大の実験場」「1ミリで支援」山下俊一氏(2015年5月19日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1917
第20回「県民健康調査」検討委員会(2015年5月18日)
福島の小児甲状腺がん疑い例含め126人に〜鈴木眞一氏は退任
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1915
第19回「県民健康調査」検討委員会(2015年2月12日)
2年前「異常なし」の8人が甲状腺がん〜福島県全体で117人
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1887
第4回「県民健康調査」甲状腺検査評価部会(2015年2月2日)
「甲状腺がん手術に医療支援を」提言へ~福島・評価部会(2015年2月2日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1884
第18回「県民健康調査」検討委員会(2015年2月12日)

2014年
甲状腺がん悪性・疑い112人~前回「異常なし」の子も4人(2014年12月25日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1868
第3回「県民健康調査」甲状腺検査評価部会(2014年11月10日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1853
第17回「県民健康調査」検討委員会(2015年8月12日)
甲状腺がんの子103人〜福島で10万人に30人(2014年8月24日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1821
第16回「県民健康調査」検討委員会(2015年2月12日)
リンパ節転移が多数~福島県の甲状腺がん (2014年6月10日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1793
第15回「県民健康調査」検討委員会(2015年2月12日)
甲状腺がんの子、疑い含め89人に〜福島県民健康調査(2014年5月16日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1778
第2回「県民健康調査」甲状腺検査評価部会(2014年3月2日)
「甲状腺検査は過剰診療か」がん増加で激論〜福島・評価部会
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1735
福島の甲状腺がん「放射線影響ではない」〜国際会議(2014年2月24日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1732
「甲状腺がん、放射線の影響か」国際会議で議論はじまる(2014年2月21日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1731
第14回「県民健康調査」検討委員会(2015年2月12日)
甲状腺がん悪性・悪性疑い74人〜福島健康調査(2014年2月5日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1727

2013年
「100ミリ以下はがん増えない」誤り〜専門家会議で一致(2013年12月21日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1706
福島健康調査・第1回甲状腺検査評価部会(2013年11月26日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1686
第13回「県民健康調査」検討委員会(2013年11月12日)
福島県検査で甲状腺がん58人~最年少は8歳
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1674
甲状腺がんデータに大幅ミス〜福島県民健康調査(2013年8月21日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1633
第12回「県民健康調査」検討委員会(2013年8月20日)
甲状腺がん悪性、悪性疑い43人〜福島県民健康管理調査
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1630
「必ず誤診」 訴訟恐れ巨額保険加入 ~福島県甲状腺検査(2013年6月2日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1593
第10回「県民健康調査」検討委員会(2013年2月12日)
福島県甲状腺検査~3人が甲状腺がん、7人悪性疑い(2013年2月13日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1532

2012年
甲状腺の検査改善求め~市民が県立医大に要望(2012年9月15日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1441


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