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福島の小児甲状腺がん180例を症例報告〜「過剰診断」を否定

投稿者: ourplanet 投稿日時: 金, 01/31/2020 - 04:03


 


福島県内で多くの小児甲状腺がん患者を執刀している福島県立医科大学の鈴木眞一教授が3日、福島県立医科大学主催の国際シンポジウムで講演し、自身が執刀した180例の甲状腺がんについて発表した。これらのデータは、昨年5月に開催された日本内分泌学会などで発表されていたが、県民が参加できる公開の場では初めて。鈴木教授が手術症例を報告するのは3年半ぶりとなる。

鈴木教授が公表したのは、2018年12月末までに執刀した、事故当時18歳以下だった甲状腺疾患の患者180例のデータ。県民健康調査県の公表されている人数より19人多い。鈴木教授は、術後の診断で72%がリンパ節転移しており、組織外浸潤も47%あったと報告。腫瘍が小さく、リンパ節の転移などがない低リスク症例(T0N0M0)は7.2%(13例)と、「アクティブサーベランス(非手術経過観察)」が推奨される「超低リスク症例」は含まれていないと強調した。

再発患者は12人
手術した患者のうち6%が再手術したことも明らかにした。全摘の患者には再発例はいない。再発した患者数は、10月に前橋市で開催された日本甲状腺学会で11人いると発表していた。

福島県内の甲状腺検査をめぐっては、手術の必要がない小さながんを見つけてしまう「過剰診断」が指摘されているが、鈴木教授は「治療した症例に過剰診断がないとまでは言い切れないが極めて限定的」と主張。一方で、「事故後の福島における甲状腺がんの増加は、放射線被ばくの影響ではなく、大規模の精緻な超音波検査をしたことによるマススクリーニング効果」によるものだとした上で、「福島での小児若年甲状腺がんの発症増加のリスクに放射線の影響があるかないかを検討するために長期にわたり続けなければならない」と述べた。

県の検討委員会などで「過剰診断論」が強調される中、臨床現場の情報が極めて重要となっているが、鈴木教授が県民健康調査の担当から外れた2016年4月以降、鈴木教授が県民やマスコミの前に登場するのは極めて稀。今回のシンポジウムでも、鈴木教授への個別取材は禁じられ、鈴木教授は、一般の医師や専門家とは異なる通用口を使って出入りするなど、市民やマスコミと接触しない対応が徹底していた。

小児甲状腺がん解明へ向け鈴木眞一氏を証人採用〜脱被ばく裁判(2019年12月20日)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2457
小児甲状腺がんの再発11人〜福島県立医大手術例(2019年10月11日)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2442
甲状腺がん子ども基金149人に給付〜福島での再発転移12人(2019年6月14日)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2405
「小児甲状腺がん診療ガイドライン」来秋に公表へ(2018年11月26日 )
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2430
集計漏れ11人〜福島県の甲状腺がん209人へ(2018年7月9日)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2275
甲状腺がんをめぐり専門家ら議論〜福島で国際会議(2016年9月25日)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/2060
福島の小児甲状腺がん疑い例含め126人に〜鈴木眞一氏は退任(2015年5月18日)
http://ourplanet-tv.org/?q=node/1915


プログラム http://kenko-kanri.jp/img/2nd_symposium.pdf

【2月3日(月)】のアーカイブ
基調講演1
座長: Peter ANGELOS(The University of Chicago, USA)
「日本における小児・若年者の甲状腺がん診療」
鈴木 眞一(福島県立医科大学)

セッション3 「甲状腺がん診療の現況」
座長: 貴田岡 正史(イムス三芳総合病院)
鈴木 元(国際医療福祉大学クリニック)
3.1 日本における甲状腺がんの診療ガイドライン
岡本 高宏(東京女子医科大学)
3.2 成人の低リスク甲状腺微小乳頭がんの非手術経過観察
宮内 昭(隈病院)
3.3 海外における甲状腺がん治療の現状
Peter ANGELOS(The University of Chicago, USA)

ディスカッション2
座長: 貴田岡正史(イムス三芳総合病院)・鈴木元(国際医療福祉大学クリニック)
登壇者:鈴木眞一、岡本高宏、宮内 昭、Peter ANGELOS

【2月2日(日)】のアーカイブ
セッション1「甲状腺検査の現況とその評価」



開会 主催者挨拶 竹之下 誠一 (福島県立医科大学理事長兼学長)
祝辞 福島県知事 内堀 雅雄様(予定)

イントロダクション「県民健康調査の全体概要について」
座長: 大戸 斉(福島県立医科大学)
福島県「県民健康調査」の現状:神谷 研二(福島県立医科大学)
指定発言: 甲状腺検査のメリットとデメリット:松塚 崇(福島県立医科大学)

第1部:甲状腺検査と甲状腺診療のいま
セッション1「甲状腺検査の現況とその評価」
座長: 宮内 昭(隈病院)・加藤 良平(伊藤病院)
1.1 甲状腺検査本格検査(検査2回目)の結果
鈴木 悟(福島県立医科大学)
1.2 甲状腺検査本格検査1回目 (甲状腺検査2回目)の評価
鈴木 元(国際医療福祉大学クリニック)
1.3 甲状腺二次検査における受診者とその家族へのサポート
瀬藤 乃理子(福島県立医科大学)
1.4 福島県における検査者養成の取り組み
貴田岡 正史 (イムス三芳総合病院)

セッション2「小児・若年者における甲状腺がんの特徴と甲状腺結節の取り扱い」

座長: 岡本 高宏(東京女子医科大学)
2.1 若年者に発生する甲状腺がんの特徴-病理学的立場から
加藤 良平(伊藤病院)
2.2 若年者甲状腺乳頭がんの臨床像と臨床経過
吉田 明(神奈川県予防医学協会) 2.3 甲状腺検査における結節の取扱い
志村 浩己(福島県立医科大学)

ディスカッション1


座長: 岡本 高宏(東京女子医科大学)・宮内 昭(隈病院)
登壇者:鈴木悟、鈴木元、瀬藤乃理子、貴田岡正史、加藤良平、吉田明、志村浩己)

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