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原子力緊急事態宣言の対象区域「わからず」〜内閣府が回答

投稿者: ourplanet 投稿日時: 水, 02/27/2019 - 08:37

東京電力福島第一原子力発電所に伴う被曝問題に取り組む市民らが26日、原子力規制庁および内閣府の原子力被災者生活支援チームの担当者と面会し、被曝防護対策や年間20ミリシーベルトという避難基準について意見を交わした。交渉を通して、2011年3月11日に政府が出した「原子力緊急事態宣言」について、交付範囲が決まっていないことが露呈。こうした中、法的な枠組みがない中で、避難指示や解除が勧められている実態が浮き彫りになった。
 

野口康成参事官(内閣府原子力被災者支援チーム)
 
事故発生直後から年間20ミリシーベルトに設定されている避難指示基準について、支援チームの野口康成参事官は、20ミリシーベルトは、ICRP(国際放射線防護委員会)が定めている緊急時被曝状況の100ミリシーベルトから20ミリシーベルトのバンドの一番下であると回答。一方で、緊急事態宣言はどのエリアを対象としているのかという質問に対しては「にわかにはわからない。個別にこのエリアとされるものではないと思う」と回答。これに対し、「日本全体ではないのか」と問われると、「法的に、緊急事態宣言が交付されているエリアは決められていないと思う。」と述べた。
 

佐藤直己課長補佐(原子力規制庁 放射線防護企画課)
 
「原子力対策特別措置法」や政府による「避難指示」の基準は、原子力規制委員会などの助言を受ける体裁をとっているものの、経済産業省の旧原子力安全保安院から出向したメンバーが中心でに組織された「原子力被災者生活支援チーム」が担っている。しかし法的な基準がない中で、8年が過ぎ、現在も緊急時被曝状況の20ミリシーベルトによって避難指示解除が行われていることについて、国連人権理事会などから勧告を受けている。
 
そんな中、国が最近、空間線量ではなく、個人線量による被曝管理や基準の運用を打ち出しており、被災者は反発している。交渉にあたった市民らは、原発事故後の避難基準や運用、賠償や住宅支援の打ち切りが、法的なルールもなく、一方的に決められているとして、国に公聴会を開催するよう求めた。
 
放射線審議会に対する質問書
原子力規制庁からの回答書
 

      3・11以降の避難・除染基準をめぐる経過
 
2019年
福島原発事故後の基準値を検証へ〜放射線審議会(1月9日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2172
線量論文の誤り「遺憾だが影響ない」〜原子力規制委員長(1月9日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2356
 
2018年
個人線量計で被ばく管理〜帰還困難区域の帰還に向け(12月12日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2338
個人線量データの不正提供か〜福島県伊達市(12月6日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2335
個人線量計で被ばく管理〜帰還困難区域の帰還に向け(12月12日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2338
個人線量データの不正提供か〜福島県伊達市(12月6日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2335
被曝線量の目安「毎時0.23」を検証へ〜放射線審議会(1月19日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2213
 
2017年
福島原発事故後の基準値を検証へ〜放射線審議会(年9月25日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2172
 
2015年
被ばく線量目標、国が設定せず〜原子力規制委員長(10月28日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1995
「帰還ありき」に有識者から異論相次ぐ〜避難解除に向け(10月16日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1658
「20ミリは高すぎる」〜南相馬・避難基準裁判始まる(9月28日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1982
「新たに避難する必要はない」被災者支援方針を閣議決定(8月24日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1964
「自主避難者の支援は不要」〜規制委・田中委員長がお墨付き(7月22日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1948
支援対象地域「避難する状況にない」〜規制庁が独自見解(7月21日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1947
「帰還の強要」撤回を求め提訴〜〜南相馬特定避難解除(4月22日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1908
 
2014年
除染基準緩和〜空間線量から個人被ばく線量へ(8月1日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1814
帰還の切り札だった「個人線量」半年公表せず〜支援チー(4月21日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1763
 
2013年
1ミリへの道筋なく20ミリで避難解除〜規制委・議論打ち切り(11月10日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1673
第2回 帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム(10月3日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1652
「年1ミリ達成は数十年後〜避難解除に向け政府方針」(9月17日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1646
首長発言も黒塗り〜線量基準策で住民置き去り浮き彫り(9月18日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1647
復興大臣「100ミリ以下の健康影響わずか」支援法基本方針(8月30日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1639
支援法の基本方針〜線量基準なく既存政策寄せ集め(8月29日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1638
避難解除に向け、規制委が「安心安全対策チーム」設置(8月28日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1636
帰還の切り札「新型線量計」とは?〜被曝量を自己管理へ(8月1日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2213
20ミリ避難基準の転換を〜国連勧告の受け入れ求め緊急集会(5月30日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1592
「避難基準の厳格化を」日本に勧告〜国連人権理事会(5月28日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1589
「線量基準」原子力規制委が検討へ〜子ども被災者支援法や除染目標(3月22日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1558
子ども被災者支援法「基本方針」がふりだしへ〜解釈めぐり激論(3月19日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1556
「被害実態を踏まえていない」〜原発被災者支援策に抗議の声(3月15日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1555
 
2012年
年間20ミリの避難基準を非難~国連報告者(11月26日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1470
千葉・9市が復興庁へ緊急要望~子ども被災者支援法(2月16日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1539
「被災者の意見を反映させたい」子ども・被災者支援議連発足(1月22日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1514
「子ども被災者支援法を軸に」福島県医師会が要望(12月7日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1499
一刻も早く具体策を~平野大臣に福島の被害者訴え(11月28日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1471
【被災者支援法】1ミリ目指す〜「避難の権利」へ大きな一歩(6月14日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1381
 
3.11後の映像アーカイブ(1)~20ミリ基準をめぐって(2014年3月11日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1740

 



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