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「帰還の強要」撤回を求め提訴〜〜南相馬特定避難解除

投稿者: ourplanet 投稿日時: 水, 04/22/2015 - 07:50
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東京電力福島第一原発事故で局地的に放射線量が高くなった「特定避難勧奨地点」の解除をめぐり、福島県南相馬市の住民らが17日、国の指定解除は違法だとして、解除取り消しと慰謝料を求めて東京地裁に提訴した。年間20ミリシーベルトという国が定めた避難基準が果たして妥当なのか。その正当性を問う初の訴訟になる。
 
提訴したのは、南相馬市の原町区片倉、馬場、押釜、高倉、大谷、大原、橲原、上栃窪の8つの行政区の住民132世帯の534人。解除された地点でも放射線量は十分に下がっておらず、帰還すれば放射線による健康影響を受けながらの生活を強いられると主張し、1人あたり10万円の慰謝料を求めた。
 
指定解除は事実上の帰還の強要
菅野秀一さんは「国は去年12月28日に解除との通告があった。しかし解除になっても、現実的に、若い人たちはひとりも帰っていない。解除前と一緒です。」と、現在も8割の世帯が自宅に戻っていない状況を説明。指定解除は事実上、「帰還の強要」につながっているとの考えを示した。その上で、「農地の除染、屋敷林の除染は終わっておらず、どこの敷地にもホットスポット的に20ミリを超えるところはいくらでもある。こうした場所の再除染、追加除染をしっかりやった後、国が示している年間1ミリで解除すべき。」と年間20ミリシーベルトを基準にした解除を批判した。
 
さらに菅原さんは「今回の解除について、私たちは、時期尚早と何度も言ってきたが、私たちの話は一切聞いてもらえません。政府の一方的な考えで解除になった。私たちの国は民主主義であります。住民の声を聞くのが民主主義です。」と政府の姿勢を非難した。
 

 
放射線監理区域を押し付けるな
行政区長の藤原保正さんも住民の要望に対し、政府が一度も書面による回答をしなかった経緯を厳しく批判。そのことが裁判につながったとの説明した上で、「原発の労働者の放射能の基準である、5年で100ミリシーベルトという値を、管理されない住民に押し付けようとしている。被ばくしている住民の命を守ってくれるのも国の務め。被ばくしてしまった福島県の人達のことを見捨てていいのか。」と語気を強めた。
 
さらに、新潟に避難している杉由美子さんは「子どもの将来の健康のことを考えると、解除されたから帰るのかというとやっぱり戻れません。子どもたちは、家業である酪農に携わっていきたいと酪農を勉強していますが、健康被害がいつどうなるかという場所には戻って来れません。私も1ミリになってからの解除にして欲しい。」と目を潤めた。
 
国の原子力災害現地対策本部は、原告が提訴する直前の12時すぎに、東京地裁にある司法クラブと福島市にある福島県政クラブに対し、同裁判に対する7ページにわたる解説つきの見解をファックスで送付。「指定解除は、国際的・科学的知見を踏まえて定めた要件を確認し行っている」「解除に当たっては、丁寧に住民の意見を得るべく、昨年10月と12月に計4回、住民説明会を行ったほか、高木本部長以下、国の職員による戸別訪問、線量不安に対する相談窓口の開設、敷地内の線量測定及び清掃などの取組を行っており、解除後もこうした取組を継続して行ってきている」との談話を発表した。
 
避難勧奨地点は年間20ミリシーベルトを上回る恐れのある地点を、世帯ごとに指定し、避難を勧奨する制度で、2011年6月以降、南相馬市、伊達市、川内村の計282世帯で指定され、昨年12月までにすべて解除された。
 
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