福島第一原発事故
2011/06/19 - 07:00

内部被曝の検査結果知らされず~原発作業員の被曝問題交渉

福島第一原子力発電所で、100ミリシーベルトから引き上げられた、緊急時の被ばく限度250ミリシーベルトを超える原発作業員が相次ぎ、深刻な事態になっている中、「全国労働安全衛生センター連絡会議」が17日、厚生労働省、経済産業省・保安院の担当者に作業員の就労環境の改善を交渉した。 
  
交渉したのは、じん肺問題をはじめ、労働衛生の問題に取り組んでいる全国組織「全国労働安全衛生センター連絡会議」。作業時の被ばく線量を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた件について、厚生労働省 労働基準局の担当者は、作業員の保護という観点からも「引き上げは反対」と個人的な見解を述べたものの、3号機の爆発の映像を見て、緊急作業が必要な事態であり250ミリシーベルトに限度をあげたと話した。
 
また、参加者が、福島原発原発に入っている作業員の会社のリスト、どんな人が作業員として入っていて、どんな作業をしているのかが分かるリストを出して欲しいと要望したものの、厚労省の担当者は、「全容を把握出来ていない」とし、事故から3ヶ月過ぎた現在でも、原発作業員がどこの会社からどのように入ってきて、どの仕事をしているのか把握出来ていないことが明らかになった。これに対し、厚労省は、被ばくを抑えるためにも、個別のデータベースを作成すると話した。
 
別の参加者は、知人の男性で内部被ばくの検査を受けたにもかかわらず、結果を知らされていない1次下請け作業員がいると訴えた。この作業員の男性は、水素爆発の時、敷地内の車内におり、車ごと吹き飛ばされたという。男性は3月14日に退職。5月第2週に、男性を雇っていた会社から電話があり、ホールボディカウンターで内部被ばくの検査を受けないかと言われ、5月29日にいわきまで自費で行き、検査を受けた。しかし、検査結果については、会社が東電に伝えたものの、本人には「今は教えられないが、今後、東電の判断により教えられることがあるかもしれない」と言われ、現在も連絡がないという。厚労省はこの件の経緯について、調査するとしている。
 
東京労働安全衛生センターの飯田勝泰さんは、作業員の不足と負担に関して、「全国の原発施設の作業員に来ていただき、他の原発が稼動できない状況になっても、今の状況下では必要なことではないか」そして、引き上げた被ばく限度も戻さなければならないと話す。
 
関西労働者安全センターの片岡明彦さんは、福島の原発の労働者は福島の人が多い点を指摘し、「新たな作業員の確保が出来なければ、福島の人たちに悲劇が集中して、犠牲をおしつけることになる。実際に働いている人に勇気を与えるような声を上げることが必要」と訴えた。

 

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