総務省は6日、インターネットサービス事業者ら4団体に対し、東日本大震災に関するデマや噂などついて、自主的な削除を含め、適切な対応するよう要請した。
今回の要請は、政府の「被災地等における安全・安心の確保対策ワーキングチーム」の決定を受けて行われたもの。同ワーキングチームは6日2回目の会合を開き、「被災地等における安全・安心の確保対策」を決定。その中で、東日本大震災後、地震に関する不確かな情報、国民の不安をあおる流言飛語がインターネットを通じて流布している状況であるとして、インターネット利用者に注意喚起を行うとともに、サイト管理者等に対して、適切な措置をとることを要請するよう務めるとしている。
これを受けて総務省は、社団法人電気通信事業者協会、社団法人テレコムサービス協会、社団法人日本インターネットプロバイダー協会、社団法人日本ケーブルテレビ連盟の4つの団体に対しに、自主的な削除を含め、インターネット上の流言飛語への対応を要請した。
OurPlanetTVの取材に対し、総務省は「従来のガイドラインに沿って、今後も引き続き、事業所が対応して頂きたい」という趣旨であり、法的な法則力はないとしている。このような要請をしたのは、元厚生労働省事務次官宅連続襲撃事件の際など、過去2回のみ。今回は「外国人が暴動をしている」とか「福島県では子どもがもう生まれません」という書き込みがあり、警察が既にプロバイダーに対して削除を要請していると説明した。
ただ、外国人に対する差別的な発言は、日頃からネット上に流通しており、今回に限って、警察庁が削除要請をするというのは極めて不自然。福島原子力発電所の事故に絡む、事実上のネット統制なのではないかとの見方も出ている。政府は、原発事故に関して、これまでの十分な情報を公開しておらず、更に、本来確保されるべき、自由な情報の流通が損なわれるとしたら、極めて問題のある要請だと言える。
東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への適切な対応に関する
電気通信事業者関係団体に対する要請
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_01000023.html
被災地等における安全・安心の確保対策について
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/hisaitiwg/honbun.pdf