「岸田総理は、ミャンマーのことを外務大臣時代からよく知っているはず。ちゃんと役割を果たせ!」
岸田新政権が発足した翌5日。 総理官邸前では、メコン・ウォッチやFoE JapanなどのNGO団体が、ミャンマー国軍の資金源になっていると疑われる日本政府による経済支援を見直すよう訴えた。
ことし2月にミャンマーで国軍によるクーデターが発足してから、8か月が過ぎた。 NGO団体は、ミャンマーで経済協力やビジネスを行っている日本政府や企業に対し、経済支援をいったん停止して国軍の資金源を着実に断つようにと訴え続けてきたが、現在にいたるまで具体的な措置は示されていない。
ミャンマーの人権団体のまとめでは、10月5日時点で1150人以上の市民が軍による弾圧などで犠牲となり、いまだ7000人以上が不当に拘束されている。 現在、新型コロナの第3波に見舞われるなか、医療行為も十分に受けられず、ますます混迷は深まっているという。
岸田総理は4日の就任会見で外交政策について、「地球規模の課題に向き合い、人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟」と述べた。 日本からミャンマーへの経済援助は、岸田氏が外務大臣を務めた2012年以降に活発化し、無償資金協力では2012、13年度共に世界一の規模となった。「日本のODAなど公的資金が、どのように国軍へ流れているのか、担当大臣だった岸田氏なら当然知っているばず」「ただちに対応すべきだ」との声が上がった。
抗議行動を呼びかけたメコン・ウォッチの木口由香事務局長は「新政権に期待するのは、市民への暴力につながることをすぐにでも断ってほしい」と訴えた。