超党派の国会議員でつくる「原発ゼロの会」が13日、環境省が進めている除染土壌の再処理について意見聴取会を行なった。田中俊一元原子力規制委員長や今中哲二元京都大学助教など11人が意見表明を行い、田中元委員長以外の10人が、除染土の再利用に反対した。
東京電力福島第一発電所事故で、放射性物質に汚染された土壌は、2011年に成立した「放射性物質汚染対処特措法.」に基づき、福島県内の汚染土壌は、双葉郡の中間貯蔵施設で30年保管し、その後、県外に移すことになっている。一方、福島県外の汚染土壌は、自治体ごとに管理することとなっている。しかし、これらの量が膨大であることから、環境省は汚染土を再利用する方針を打ち出し、福島県飯館村の長泥地区や栃木県の那須町などで「実証実験」を行なってきた。
これに対し、現在、飯館村で復興アドバイザーをしている田中氏が、「(飯舘村)長泥(地区)の住民はなんとしても自分の故郷を取り戻したい思いで、この再生事業に取り組むことにした。」「前を向くために苦渋の選択をした」と区長のコメントを紹介。「住民の苦渋の決断を応援するのが当たり前」「国会議員が責任を持って欲しい」と事業を推進する立場を示した。
一方、ほかの専門家や市民は反対一色。事故前から飯館村の村づくりに取り組んできた糸永浩司日本大学生物資源科学部教授は、「除染を条件に長泥の住民に苦渋の決断をさせたことは、民主国家としてあってはならない。特措法に基づいてやっているとすれば国会議員の大いなる責任。」「農民農地への侮辱だ」と厳しく批判した。
また事故初期から飯館村での計測活動などに取り組んできた今中氏は、「東電に甘すぎる。とくかく汚染したものは東電に引き取らせるという原則で行うべき」と主張。さらに「30年で処分するという考え方を見直し、100年単位、先を見越してかんがえるべき」だと指摘した。このほか、道路の盛り土の耐用年数である70年を超えたあと、どう対応するのか。大規模災害が起きたらどうするのか。処分と再利用は異なるなど、除染土の再利用に反対する意見が相次いだ。また政府が主催で、福島県内外で意見聴取会を開催するよう求める声があがった。
関連リンク
超党派議員連盟 原発ゼロの会
http://blog.livedoor.jp/gempatsu0/archives/16379213.html?ref=head_btn_prev&id=7542053
意見表明の内容はこちら
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