福島第一原発事故
2015/10/29 - 10:19

原発避難者が全国組織を発足~「避難の権利」求め

東京電力福島第一原発事故によって避難を余儀なくされている避難者らが29日、当事者組織「「避難の権利」を求める全国避難者の会」を発足した。東京都内で設立記念集会が開かれ、全国に散らばった避難者30人を含む140人が会場を埋めた。

「つながろう!はじめの一歩~たしかめあおう足跡、そして未来へ~」と題された設立総会。福島市から札幌に避難している中手聖一さんと福島市から京都の避難している宇野朗子さんが共同代表に選ばれた。宇野さんは、「「避難の権利」とは、原発事故による放射能汚染をこうむった地域の人々が被曝による被害を避けるために、避難を選択することができ、実質的な支援が存在するための権利」であるだけでなく、「現在も汚染のある地域で暮らす人々が保養や医療支援が存在し、避難するか、そこにとどまるかを自己決定できるための大切な権利だと思う」と延べ、避難の権利を保障させるために動いていきたいと呼びかけた。

この後、リレートークでは、福島から札幌市に自主避難した高校教師の宍戸俊則さんをはじめ、東京都から石川県小松市に避難した奈良井伸子さん。大熊町から大熊町から新潟に避難した大賀あや子などがスピーチし、原発事故による避難者の人数さえも把握しようとしない政府に対し批判した。

また、いわき市から埼玉県へ母子避難した河井かおりさんは、夫と離婚後、体調を崩して生活が困窮し、生活保護を受給するようになった厳しい現実を吐露。1年半後に迫る自主避難者の住宅支援打ち切りに対し、憤りをあらわにした。郡山市から大阪市へ自主避難し、大阪で東電に対する損害賠償裁判で原告団長を務める森松明希子さんも、憲法上の権利が奪われている現実について、政府の政策を厳しく批判した。

避難者の会は原発事故による避難者および避難経験者を対象として会員を募集し、年明けに総会を開催する。避難区域内か区域外は問わず、福島県以外からの避難者でも参加できる。次回の集会は12月12日、京都で開催される。

「避難の権利」を求める全国避難者の会(準備会)
http://blog.livedoor.jp/hinannokenri/archives/940942.html

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