TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉が大筋合意したとの政府発表を受けて6日、永田町の首相官邸前では、市民ら約150人が集まり抗議の声を上げた。
TPP交渉は、2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国間で、輸入する製品にかける関税を原則撤廃し、貿易を活発にすることを目的にはじまった。2010年3月にアメリカが加わり、日本は2013年7月から参加。しかし、参加12カ国の利害がぶつかり、交渉は5年以上となる。交渉内容は非公開で、文書は最終合意から4年後の公開となり、「大筋合意」と報道されても、不透明な部分が多数残る。
この日の行動を呼びかけたのは、TPPの反対運動を展開している「STOP TPP!官邸前アクション実行委員会」。抗議に参加した農民運動全国連合会の笹渡義夫副会長は、米の無関税の輸入枠を7万トン設けることなどを批判し、「日本の死活的な問題だ」と怒りをぶつけた。
同実行委員会のメンバーで、TPP交渉が行われていたアトランタから帰国したばかりの内田聖子さん(アジア太平洋資料センター)は、大筋合意を大々的に報じている日本のメディアを批判。「農産品以外の分野では、留保している点や不明な点が多い」と指摘した。
「TPP、国会議員にも、みんなにも内緒だよ!」とのプラカードをかかげた20代の女性は、交渉内容が秘密にされてきたことを批判。「遺伝子組み換え食物が入ってくる。健康が奪われるのではないか」と不安を語った。
関連リンク
共同声明「国会決議違反のTPP「大筋合意」に強く抗議する」
http://stoptppaction.blogspot.jp/2015/10/blog-post.html
内閣府 TPP政府対策本部
http://www.cas.go.jp/jp/tpp/