原子力災害現地対策本部の高木陽介経産副大臣は24日、南相馬市の特定避難勧奨地点の住宅を視察後、南相馬市の桜井勝延市長と会談し、住民の反発する声が相次いでいた10月の指定解除を見送ると発表した。
避難勧奨地点は2011年6月、事故後1年間で年間20ミリシーベルトを超える恐れのある地点を世帯ごとに指定する制度で、南相馬市では152世帯(720人)が指定されている。
高木副大臣は、原子力災害現地対策本部や環境省、市の職員とともに特定避難勧奨地点の住宅4軒を視察した。原町区高倉の嶌影勘さんの自宅裏の土壌では1万cpmを計測。嶌影さんは、「除染した時よりも上がっている。しっかり除染をしてから解除して欲しい」と訴えた。原町区大谷の林マキコ子さんは、「道路の脇は毎時1マイクロシーベルト以上ある。孫を守りたい。解除は絶対に納得できない」と語気を強めた。高木副大臣は、「今月の解除はしないが、相談窓口をつくり個別の対応をしながら解除したい」と説明した。
南相馬特定避難勧奨地点地区災害対策協議会の菅野秀一会長は、視察後の高木副大臣に対して、要請書を提出し、住宅の敷地内や周辺地域にはまだ高い場所があるとして、指定解除をしないように求めた。
国は、今週中に南相馬市役所に「清掃相談窓口」を設置する方針だ。
YouTube版
「一方的な避難解除」に抗議〜南相馬住民
https://www.youtube.com/watch?v=AjiXRoX4CmI
関連動画
「一方的な避難解除」に抗議〜南相馬住民(2014年10月10日配信)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1840