福島県に住み続けている子ども24人が29日、居住する自治体に対し、放射線量の低い安全な環境で教育を受ける権利を求め、福島地裁に提訴した。また原発事故当時、福島県に住んでいた親子86人が、国や県が十分な対策を怠ったことによって無用の被ばくさせられたとして、1人当たり10万円の慰謝料を求めた。
訴状によると、子どもたちは、今現在も、日常生活において低線量被曝の危険にさらされているとして、地元自治体の責任によって安全な地域に学校施設を確保し、教育活動ができる態勢を整えるよう求めている。また国と県は、事故発生後、適切な情報を住民に提供せず、またヨウ素剤も配布しないなど、子どもたちに無用な被曝をさせたとしている。
代理人の井戸謙一弁護士は、「3.11後の被曝対策が無為無策であって、子どもたちに無用な被曝をさせてしまった。国や東電に対する損害賠償裁判や刑事責任の追及など、3.11事故そのものの責任追及は色々な形で行われているが、私たちが問題としているのは被曝の問題だ」とし、子どもたちを被曝させた国の県の施策についてその責任を問いたいと述べた。
原告の母親は提訴の理由について、子どもの健康が悪化していることをあげ、何か行動しないといけないと思ったと声を震わせた。また別の母親も、事故後に子どもの健康が悪化したと述べ、「子どもを守れるのは親しかいない。人にとって命と健康が最も大切だ」と声を詰まらせた。
子どもたちの避難をめぐっては2011年6月に、郡山市在住の子ども17人が市に対し、安全な地域での学校教育を求めて仮処分の申請。しかし、2013年2月に仙台高裁で却下された。裁判所は原告の訴えた健康被害の恐れを全面的に認めたものの、自主的な避難が可能であるとしていた。
訴状
http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear2/140829petition2.pdf
youtube版
https://www.youtube.com/watch?v=hLwaIZA5sZo
【関連動画】
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【関連リンク】
ふくしま集団疎開裁判
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子どもたちを被曝から守ろう!5.18新宿デモ
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2013/04/blog-post_15.html