２０２０年東京オリンピックのメイン会場となる「新国立競技場」の建設で、日本スポーツ振興センターは２８日、都内で有識者会議を開き、基本設計案を決定した。明治神宮の景観に考慮するとして、高さを当初案より５メートル低くしたものの、現在の国立競技場の二倍。最高７０メートルに達する巨大施設となる。総工費も見通しを示さなかった。
まだまだ巨大。高さ７０メートル
今回、提示された設計案では、神宮の景観を破壊すると批判が出ていた点を考慮するとして、高さを当初の予定の７５メートルから７０メートルへ変更した。これに対し、有識者会議のメンバーで建築家の安藤忠雄さんは「バランスがいい」と太鼓判を押した。しかし、高さが低くなる一方、面積は拡大。敷地面積は７万１０００平方メートルから１１万３０００平方メートルへと４万平方メートル以上、広い設計が示された。
天井部分は遮音装置
開閉に多額な費用がかかるとされる屋上は、グラウンドの芝の育成のため南側は、透過性の高い素材を使う。コンサートなどでも施設を使用できるように天井は開閉式となるが、材質の問題から屋根とは呼べず、遮音装置という位置づけになるという。
正確な工事費は示されず
大幅に膨らむ見込みの工事費は、昨年の７月時点の単価で計算された１６２５億円をそのまま記載。消費税が５％で計算されているほか、建築資材や人件費の高騰は計算に入らず、正確な工事費は示されなかった。日本スポーツ振興センターの河野一郎理事長は会議後の記者の質問に対して、「政府とやり取りしていて、今コメントができない状況」と話した。
７月解体工事「予定通り進める」
建築家の伊東豊雄さんが１２日に改修案発表し、建築家や市民からは、国立競技場を建て替えるのではなく改修して使って欲しいとの意見が上がり続けているが、河野理事長は「我々の案に集中していている。（解体工事は）予定通り進める」と改修への見直しはしない考えを明らかにした。日本スポーツ振興センターは今後政府との調整を先に進め、最終設計を公表するメドがついた後で説明会などの実施をするか検討する予定だ。
資料
資料１ 新国立競技場 基本設計案（概要）
http://www.ourplanet-tv.org/files/140528plan001.pdf
資料２ 新国立競技場 基本設計図（案）
http://www.ourplanet-tv.org/files/140528plan002.pdf
資料３ 新国立競技場 完成予想図（案）
http://www.ourplanet-tv.org/files/140528plan003.pdf
YouTube版 東京五輪の主会場、設計案固まる〜建設費膨らむ恐れ
https://www.youtube.com/watch?v=dmL_dNKK59s
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