2011年6月24日に、福島県郡山市の子ども14人が、年間1ミリシーベルト以下の環境での教育を求めて仮処分の申立てを行っていた裁判で、4月24日仙台高等裁判所は、申立てを却下する決定を下した。
判決によると、低線量の放射線に長期にわたり継続的に晒される結果、「生命・身体・健康に関して由々しい事態の進行が懸念される」と表明する一方、「現在直ちに不可逆的な悪影響を及ぼすおそれがあるとまでは証拠上認めがたい」として、原告の申立て却下した。
これに対して、ふくしま集団疎開裁判の会は5月8日、東京・永田町で集会を開き、弁護団が一審(福島地裁郡山支部)と二審(仙台高裁)の判決を比較し分析を行った。
裁判官の経験がある弁護団の光前幸一弁護士は、仙台高裁が福島地裁と異なり、低線量被ばくの危険性を認めた点に着目し、「司法として晩発性被害に警鐘を鳴らし、行政による疎開政策を促すための決定と捉えることができる」と分析した。
柳原敏夫弁護士は「仙台高裁は法的判断は認めなかったが、低線量被ばくの問題、除染の限界の問題などの危険な事実認定を認めた。市民の力で、福島県や国が避難政策を実現させるように働きかけていきたい」と訴えた。
福島集団疎開裁判の会は、5月18日に新宿でデモを行う予定。
【関連資料】
光前幸一弁護士の分析資料
http://www.ourplanet-tv.org/files/130508-01.pdf
柳原敏夫弁護士の分析資料
http://www.ourplanet-tv.org/files/130508-02.pdf
仙台高等裁判所による判決文(PDF)
http://www.ourplanet-tv.org/files/20130424sokai.pdf
寸劇「判決前夜の3人の裁判官たちの討論風景」から再生されます。
【関連リンク】
ふくしま集団疎開裁判
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/
子どもたちを被曝から守ろう!5.18新宿デモ
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2013/04/blog-post_15.html
【関連動画】
ふくしま集団疎開裁判〜仙台高裁が却下(2013年4月24日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1578
ふくしま集団疎開〜明日、仙台高裁で審尋(2012年9月30日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1451
ふくしま集団疎開裁判~子どもの被曝をめぐる判断を問う(2012年1月19日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1299
集団疎開裁判第1回審理~裁判所が前向きな姿勢(2011年7月5日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1151
学校の集団疎開求め仮処分申請〜郡山の子ら14名(2011年6月24日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1132