2012/10/06 - 10:54

大飯原発活断層交渉〜規制庁の職員、委員に渡さず

市民と原子力規制庁との初めての話し合いが5日、永田町で行われ市民100人以上が参加した。国際環境NGO FoE Japanやグリーンアクションなど、4団体の要請で実現したものだが、市民側が事前に提出していた原子力規制委員長宛の質問・要望書に対して、事務局の原子力規制庁が、委員に見せないまま、独自に判断し回答したことが明らかになった。
 
市民側は、9月29日に原子力規制委員長の田中俊一氏宛に質問・要望書を送付。今月行われる大飯原発の断層調査や、曖昧な状態となっている断層評価基準など19項目の回答を求めていた。しかし、この日出席した原子力規制庁 安全規制管理官(元 保安院耐震安全審査室室長)の小林勝氏は、市民との話し合いの途中で、原子力規制委員には質問・要望書を見せていないことを明らかにした。小林管理官は、委員による記者ブリーフィング資料などを参考にし、回答していると説明した。
 
話し合いでは、今月にも行われる予定の大飯原発の断層調査について、原発を止めてから調査をすべきではないかとの市民側の問いに対して、規制庁の小林管理官は、「原発を動かしたままの調査でかまわないと思っている」と回答した。
 
今年6月、大飯原発が再稼動する前から、断層の存在を指摘していた東洋大学 変動地形学の渡辺満久教授は、「完璧に調べるのであれば、一度原発を止めて、制約がなるべく小さな状態で調査すべき」と指摘した。また「大飯原発を再稼動する前に断層を調べるべきで、それが出来なかったのは非常に残念。これに対して、どのように説明するのか」と迫ったところ、小林管理官は「私としては、大飯原発の破砕帯(断層)調査をやらないといけないと考えている。再稼動組はまた別ですから、申し訳ありません」と回答した。
 
呼びかけ団体の1つ、グリーンアクション代表のアイリーン・美緒子・スミスさんは、質問・要望書が委員に渡っていないことについて、「官僚がブロックした。規制庁は、完全に古い官僚体制の塊で、これだけ変わりましょうと言っている時に、歴然としており、問題と感じていない」と強く批判した。今後については、「ガラス張りで見られていくことが重要。一市民の声を出していくか、いかないかでこれからの分かれ道が決まっていく」と訴えた。
 
関連リンク
原子力規制委員会宛の質問・要望書
http://www.greenaction-japan.org/internal/120929_youbou.pdf
原子力規制委員会
http://www.nsr.go.jp
 

 

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