脱原発を訴える与野党の議員や市民団体らは24日、複数のメディアが報じている「原子力規制委員会」の人事案は、原子力ムラに属するメンバーが多いとして、人事案撤回を求める記者会見を開いた。
今回、規制委員会の委員として名前があがっているのは、委員長には田中俊一氏(前内閣府原子力委員会委員長代理で現高度情報科学技術研究機構顧問)、委員には、更田豊志氏(日本原子力研究開発機構)、大島賢三氏(国連大使、JICA副理事長・顧問を歴任)、中村桂子氏(日本アイソトープ協会主査)、島崎邦彦氏(地震予知連絡会会長)の5名。慶応大学教授の金子勝教授は、委員長候補の田中俊一氏について、原子力研究開発機構の利害を優先し、プルサーマルを推進してきたと説明。昨年8月23日の原子力委員会では、「除染の目標は5ミリシーベルトが現実的だとの発言をし、除染の範囲を狭くしようとした」と批判した。
また、自主避難者たちを支援してきた国際環境NGO FoEジャパンの満田夏花さんは、原子力損害賠償紛争審査会の委員でもあった田中氏について、最後まで自主避難者への賠償に反対していたと説明。社民党の福島みずほ議員は、「避難や被ばくの問題に対して、それを阻止してきた。鈍感な人に原子力規制庁はやってもらいたくない。原発を推進するぞという政府の宣戦布告に感じる」と批判した。
この日の会見には、弁護士の海渡雄一さん、サステナのマエキタミヤコさんをはじめ、様々な団体から10人が参加。また社民党の阿部知子衆議院議員や民主党の近藤昭一議員ら国会議員5人も参加した。今回の規制庁人事に関して反発の声は根強く、7月26日にも集会が開催されるほか、27日には夜6時から8時までの2時間、官邸前で、抗議行動が行われる予定だ。
2012年12月6日「原子力損害賠償紛争審査会(18回)後半」
田中俊一氏が自主避難者への賠償に対するメモを読み上げ
1時間9分50秒~