国会議事堂の駅を降りると、そこは熱気に溢れていた。22日夜、政府が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を決定したことに対し、撤回を求め市民が総理官邸前に集まり、「再稼働反対」を訴えた。その列は400メートルにも延びた。
毎週金曜日に総理官邸前での抗議行動は、政府が3、4号機の再稼働方針を決めた4月から毎週実施されている。呼びかけているのは、複数の市民グループ有志でつくる「首都圏反原発連合」。6月上旬までは数百人規模だったが、総理が再稼働決定について記者会見を行った8日には、数千人規模となり、政府閣僚の協議前夜となった先週15日には1万人を超えた。
そして今週22日には、主催者発表で4万5千人が参加。参加者が、思い思いのプラカードを掲げ、官邸に向かって「再稼働反対」「大飯を止めろ」と繰り返した。その列は、官邸前の交差点から霞ヶ関方面に向かって400メートルほど連なり、途中、人の波が車道にあふれる場面もあった。
官邸前に駆けつけた落合恵子さんは「これほど市民を裏切っている人々をもうゆるさない」と強調、原発の再稼働を止めることを、あきらめないと訴えた。また、浪江町で酪農を経営していた「希望の牧場」の吉沢正巳さんは、「政府は福島の原発事故を過去のものとして蓋をして、再稼働でばんばんいってしまう。今回の事故で誰が責任をとっているのか、皆逃げている。言い訳をしてる。こまかしてる。嘘ついている。もうたくさんだ。」と力強く話した。