市民の手で、放射能による土壌汚染の状況を把握しようと活動を行っている「放射能防御プロジェクト」のメンバーが8日議員会館で記者会見を開き、首都圏などの約150カ所の土壌検査を行った測定結果を発表した。首都圏や関東の土壌調査で、100カ所以上の調査ポイントの結果がまとまった形で公表されるのは、国や自治体などを含めて初めて。
調査結果によると、埼玉県の三郷市早稲田で、セシウム134、セシウム137の合計が、1キロあたり1万4140ベクレルを測定。チェルノブイリ事故の際の強制移住区域にあたるレベルの汚染にさらされていることが明らかとなった。また、東京都の江戸川区臨海、千葉県の松戸市紙敷、松戸市松戸、茨城県の取手市大塚で、それぞれ1キロ当たりあたり3000ベクレルを超えるセシウムに汚染されていることが明らかになった。
この他、都心部の千代田区六番町や市谷砂土原町、住宅地の大田区田園調布本町、練馬区大泉といった地点でも、チェルノブイリでは第4区分とされた汚染地域と同じレベルのセシウムが検出され、首都圏全体に放射能汚染が広がっていることが分かった。
また、豊島区巣鴨で採取した、道路わきに積もっていた砂を測定したところ6万ベクレルという高い値が検出されたという。
今回の測定は、facebookのグループ「福島第一原発を考えます」に参加している一般市民、およそ150人が参加。1カ所の検査につき15000円をそれぞれ負担し、回収した土を民間の専門検査機関に依頼し、厚生労働省が公開している「緊急時おける食品の放射線物質測定マニュアル」に準ずる方法で方法で精密測定した。
同プロジェクトでは菅直人総理大臣と首都圏の知事宛に要望書を提出し、詳細な土壌調査や、除染など住民を放射能による健康被害から守るよ対策を取るよう求めたいとしている。計測に参加した横浜市の母親は「どこがどれだけ汚染されているのかわからないので、子どもを遊ばせていいのか不安です。国や自治体は正確な調査をして安全対策をしっかりやってほしい」と話している。
放射能防御プロジェクト
http://www.radiationdefense.jp/
福島第一原発を考えます
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