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ブラック企業大賞〜財務省など9社をノミネート

投稿者: ourplanet 投稿日時: 水, 12/05/2018 - 01:48


 
従業員に対して過労やサービス残業を強いたり、パワーハラスメントや偽装請負や派遣差別を行ったりなどをしている「ブラック企業」の頂点を決めるブラック企業大賞。その第7回ノミネート企業に、事務次官によるセクハラが社会問題となった財務省や、長時間労働が原因でわずか3年間に5人の社員が精神障害や脳疾患を発症して労災認定となった三菱電気など9社が選ばれた。
 
ブラック企業大賞実行委員会の選考委員で、ブラック企業弁護団の佐々木亮弁護士は今年の傾向として、長時間労働と過労死の両方を取り上げる報道が増えたことで、ノミネートにも反映されていると述べた。また、アジア太平洋資料センターの内田聖子さんは、「女性の活躍」といいながら、官庁や企業で今なお、セクハラやマタハラが横行していると指摘した。大賞は12月23日、水道橋の全水道会館で開かれる授賞式で発表される。同日まで、市民によるウェブ投票も受け付けている。
 

ブラック企業大賞2018ノミネート企業
1.株式会社ジャパンビジネスラボ
2.財務省
3.三菱電機株式会社
4.株式会社⽇⽴製作所・株式会社⽇⽴プラントサービス
5.株式会社ジャパンビバレッジ東京
6.野村不動産株式会社
7.スルガ銀⾏株式会社
8.ゴンチャロフ製菓株式会社
9.株式会社モンテローザ

 
ノミネート理由

株式会社ジャパンビジネスラボ
株式会社ジャパンビジネスラボは、都内で語学学校等を運営する企業である。同社において英語講師を務めていた正社員の女性が、育休明けに保育園が見つからず休暇の延長を申し出た。これに対し同社は、「希望する場合は正社員への契約変更が前提」とする文書を示して、週3日、契約期間1 年とする有期雇用への転換を持ちかけた。社員は正社員に戻れるなら、と了承して職場に戻り、その1 週間後に保育園が見つかった。社員は同社に対し正社員に戻してもらうよう求めたが、同社は正社員への復帰を拒否し、1年後に「期間満了」を理由に雇い止めをした。上司は「俺は彼女が妊娠したら、俺の稼ぎだけで食わせるくらいのつもりで妊娠させる」と発言した。

財務省
財務省は、行政の中枢に位置付けられる国の重要機関である。今年4月、当時、財務省の事務方のトップである事務次官が、テレビ朝日の女性記者に対して、取材中に性的な言動を繰り返していたことが報道された。同省の最高責任者である麻生太郎財務大臣は当初、事実関係の確認には双方から意見を聴くべきだなどとし、被害女性に名乗りでるよう促す一方で、事務次官がはめられた可能性などにも言及した。その後、財務省は顧問弁護士に調査を委託。同月27日の記者会見で、事務次官によるセクシュアルハラスメント(セクハラ)があったと判断したことを発表した。なお、事務次官側はセクハラについて否定している。この過程で麻生大臣は、日本には「セクハラ罪という罪はない」と発言し、セクハラを軽視する態度を崩さなかった。また、セクハラ行為を防止することが第一であるはずなのに、「男を番記者にすればいい」などと女性記者を排除するような発言もあった。

三菱電機株式会社
三菱電機株式会社は、家電から発電機まで様々な電気製品を製造するメーカー企業であり、我が国の代表的な大企業である。同社では男性社員5人が長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症して2014~17年に相次いで労災認定されていたことが発覚した。5人はシステム開発の技術者か研究職で、そのうち2人は過労自死しており、3人には裁量労働制が適用されていた。同社・ネットワーク製作所に勤務し、2016年2月に過労自死した男性社員は亡くなる4カ月ほど前から法定時間を上回る残業がそれ以前の約5倍に急増し、月80時間前後の残業が続いたという。この時期に精神障害が発症したとして労災認定された。裁量労働制が適用されていたため「残業」扱いにもなっていない。また同社名古屋製作所の技術者の男性社員(当時28歳)は、2012年8月に過労自死した。システム開発プロジェクトの担当に任命されたが、システムに次々と不具合が発生。完成が予定に間に合わず、月100時間を超す長時間労働が数カ月続き、精神障害を発症した。

株式会社日立製作所・株式会社日立プラントサービス
株式会社日立製作所は、日立グループの中核的企業であり、日本を代表する電機メーカーである。会長の中西宏明氏は日本経団連会長。また日立プラントサービスは日立製作所のグループ会社である。新卒入社した20 代の労働者が、日立プラントサービスに在籍出向中、精神疾患によって労災認定された。この労働者は富山県の工事現場で設計・施工管理監督をしていたが、月100時間を超える長時間残業が頻発し、最大で月160時間を超えていた。さらに、所長から「いらない」「着工まで不要」「めざわりだから帰れ」「仕事辞めてしまえ」などの暴言を受け続けたり、座っていた椅子を蹴られたりした。また勤怠記録を記入する際には「考えてからつけるように」と言われ、労働時間の過少申告に追い詰められた。加えて同社は笠戸事業所において、数百名のフィリピン人技能実習生を不正に働かせていた。報道によれば、彼らは「電気機器組み立て」を習得するはずが、窓や排水パイプ、カーペットやトイレを鉄道車両に取り付ける作業しかさせられていなかったという。技能実習生の在留資格の更新ができないことを理由に、すでに99 名が解雇されている。

株式会社ジャパンビバレッジ東京
株式会社ジャパンビバレッジ東京は、サントリー食品インターナショナルグループ傘下の自動販売機オペレーション大手・ジャパンビバレッジホールディングスの子会社である。同社は、2017 年末に足立労働基準監督署により「事業場外みなし労働時間制度」の違法適用を指導され、違法な長時間残業があったとして是正勧告を受けた。この労働者の残業時間は月100 時間を超えていたという。しかし同社はこの制度を違法適用したことで、1日10時間を超える自動販売機の補充などの労働に対して、7時間45 分の給与しか支払っていなかった。また、ある支店の支店長がクイズを出し、正解者にのみ有給休暇の取得を認める「有給チャンス」とよばれるパワハラの存在も明らかとなり、メディアを賑わせた。

野村不動産株式会社
野村不動産株式会社は、不動産業界の最大手企業である。野村不動産では、「裁量労働制」が違法適用されていた2016年9月、50代の男性社員が過労自殺していた。同社では2005年、会社の中枢で経営企画の立案や情報分析などを行う社員が対象の「企画業務型裁量労働制」を約600 人の社員に適用した。だが実際には、マンションの営業担当など本来は適用の対象とはならない業務の担当者がここに多数含まれており、亡くなった社員もこれを適用された結果、一ヶ月の残業時間が180 時間を超えることもあった。上記の過労自殺が労災認定された2017年12 月には、こうした裁量労働制の違法適用とそれに伴う違法残業、残業代未払いなどにより同社の東京本社など5つの事業所が労働基準監督署から是正勧告を受けたほか、宮島誠一社長が東京労働局から是正の特別指導を受けている。

スルガ銀行株式会社
スルガ銀行は静岡県沼津市に本店を置き、東京ほかの大都市でも営業展開していた地方銀行である。同行では、今年5 月に破綻した不動産会社「スマートデイズ」の勧誘のもと同社のシェアハウスに投資していた投資家らに不正な融資をしていたことが判明。その後、設置された第三者委員会の調査報告書の報告書により、同行が行員たちに過大なノルマを押し付ける一方、達成できない人に対しては凄絶なパワーハラスメントを行っていたことが発覚した。第三者委が行った全行員を対象のアンケート調査では、「首を捕まれ壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴った」「数字ができないなら、ビルから飛び降りろといわれた」、「ゴミ箱を蹴り上げたり、空のカフェ飲料のカップを投げつけられた」「死んでも頑張りますに対し、それなら死んでみろと叱責された」「ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、お前の家族皆殺しにしてやるといわれた」などの回答が多数寄せられたとされている。第三者委はこうしたパワハラの蔓延が不正融資の温床になったとの見方を示している。

ゴンチャロフ製菓株式会社
ゴンチャロフ製菓株式会社は神戸市に本社を置き、チョコレート・焼き菓子などの洋菓子の製造販売及び喫茶経営を手がけている。2016 年6 月、同社の工場に勤務していた当時20 歳の男性が電車に飛び込んで自殺した。これが長時間労働と上司によるパワハラが原因として、西宮労働基準監督署により労災認定された。報道によると、チョコレート製造などに携わっていた男性は、廃棄品は牧場に回されることから、ミスをすると「牛のえさ、作りに来とんか」と責められ、辞意を申し出ると「お前の出身高校からはもう採用しない」と叱られるなど、上司からパワハラを受けていたという。さらに男性は2015年9 月~12月には月約80~100 時間の残業をしており、同労基署は「業務による強い心理的負荷が認められる」とした。

株式会社モンテローザ
株式会社モンテローザは「白木屋」「魚民」「笑笑」「目利きの銀次」「山内農場」などの居酒屋チェーンを展開する外食企業である。2017 年6月、福岡市の「わらわら九大学研都市駅店」の店長(当時53 歳)が開店準備中に倒れ、致死性不整脈で亡くなった。遺族の労災申請を受けて福岡中央労働基準監督署が調査したところ、男性が亡くなるまでの3カ月間の時間外労働が月80 時間に達していると確認され、労災と認定された。男性のいとこがインターネットで発表した告発漫画によれば、男性は生前、友人とのLINE で「15時から深夜3時まで勤務。それから6 時台の始発まで帰れず、8時前にやっと帰宅。そのあと12 時には起きないといけない」「地獄です」などと漏らしていた。モンテローザでは各店に勤怠管理ソフトを導入しており、亡くなった男性も記録上は週に2日休み、休憩も取れていることになっていたが、上このソフトは一種の「労基署対策」であり、実際はサービス残業や休日出勤、休憩なしの労働がまかり通っていたという。
 
関連サイト
ブラック企業大賞
http://blackcorpaward.blogspot.jp/
 
関連動画
ブラック企業大賞〜NHKなど9社をノミネート(2017年11月26日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2191
ブラック企業大賞2016~電通など10社ノミネート(2016年12月1日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2073
「ブラック企業大賞」候補発表~セブンイレブンなど6社(2015年10月27日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1994
「ブラック企業大賞」候補発表~ヤマダ電気など9社(2014年7月30日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1812
「ブラック企業大賞」候補発表~ワタミなど8社(2013年6月27日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1611
 



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