宮下公園
2017/04/01 - 03:40

渋谷区が予告なく公園封鎖~宮下公園


3月28日撮影 宮下公園入り口

渋谷区は27日朝、宮下公園の再開発工事のために、公園の出入り口を予告なしに封鎖した。公園内には、野宿労働者数人がいたが強制的に排除し、鋼板で仮囲いした。これを受け、渋谷駅周辺の野宿労働者を支援している市民団体「渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(のじれん)」は31日、「人間の尊厳を踏みにじる」行為だとして、渋谷区に対する抗議声明を発表した。

渋谷区は、2020年東京オリンピックを視野に入れ、宮下公園の再開発を計画している。2020年春までの開園を目指して、宿泊施設(ホテル)や商業施設などを建てる考えだ。しかし、公園の機能を大幅に変えるために、都市計画の見直しが必要となり、現在も都市計画審議会で議論が続いている。

渋谷区は、今回の封鎖について、「ホームレス支援団体と称する団体が、違法行為を続けたため、仮囲いが必要であると判断した。利用者の皆様に対しましては、やむを得ず公園を閉鎖することになりご不便をかけてしまいます」との見解を公表した。また、「約25人のホームレスがおりましたが、社会復帰に向けた支援などの取り組みを重ねてきた結果、シェルターやアパートへの入居が完了しております。」と野宿者排除はなかったとの立場を主張している。

OurPlanetTVの取材に対して、渋谷区の公園プロジェクト推進担当の斉藤課長は、「封鎖時に野宿者が7人ほどいた。封鎖後、話をして、雨が止んだら自主的にどこかに出られた。公園は、2020年春までに完成させたい」と説明した。


都市計画が固まる前の突然の公園封鎖について、宮下公園の野宿者とも繋がりがあり、その日も現場にいた小川てつオさんは、「渋谷区がつくろうとしている公園は、誰もが利用できる公園ではなく、本来の公園とは全く異なる。野宿者の強制排除がそれをよく表している」と渋谷区を批判した。

Standing Together, Creating the Future.

OurPlanet-TVは非営利の独立メディアです。視聴者の寄付を原動力に取材活動を展開しています。あなたもスポンサーとして、活動に参加してください。継続的に支援いただける方は会員にご登録ください。

※OurPlanet-TVは認定NPO法人です。寄付・会費は税額控除の対象となります。