2013/02/19 - 13:33

規制委・健康管理のあり方検討会〜総括案めぐり混乱

原子力規制員会では19日、東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康管理の
あり方に関する検討チームの第5回会合が開催され、これまでの議論を取りまとめた総括(案)が示された。しかし、福島県民健康調査をはじめとする現状を追認するだけの内容となっていることから、委員やオブザーバーから異論が噴出し、最終案は持ち越しとなった。
 
この検討チームは、福島復興再生特別措置法第 26 条に基き実施されている福島県の県民健康調査や、また、子ども被災者支援法第 13 条によって、放射線による健康への影響に関する調査等を講ずるとされていることなどを受けて、去年11月に設置されたもので、放射線による障害の防止の観点から、健康管理調査の意義や実施体制、健康管理調査データの取扱いなどについて、ヒヤリングなどが重ねられてきた。当初、12月末に、何らかの方向を打ち出す予定だったが、福島県医師会の副会長を務める木田光一委員らから、国による健康調査の一元化などを求める要請書が提出され、以降、2ヶ月近く、議論が止まっていた。
 
今日の会合では、現状の福島県民健康調査を追認し、高く評価する総括案が出されたため、委員やオブザーバーからは、文案には問題が多いとして、文案を修正するよう求める声が相次いだ。これに対し、司会を務める中村佳代子主査は、メールで意見を受け、文案に反映させると回答。一方的に議論を打ち切り、当初の予定よりも1時間早く会議は終了した。
 
今後、メールで、委員の意見を集約し、原子力規制委員会に提出する方針だ。会議後の記者会見で、室石泰弘監視情報課長は、検討チームの「総括案」の位置づけについて、規制委員会の提言に反映されるとしたものの、法的な根拠はなく、勧告といったものではないと説明。また提言先についても、福島県や環境省といった具体的な対象は決まっていないと回答した。
 
2月19日に提示された議論の総括(案)
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kenko_kanri/data/0005_01.pdf
原子力規制委員会「住民の健康管理のあり方に関する検討チーム」議事録
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kenko_kanri/
 
関連動画
「子ども被災者支援法を軸に」福島県医師会が要望(2012年12月7日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1499
 

 

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