2012/07/27 - 10:49

国会記者会館の屋上取材〜仮処分申し立て却下

非営利のインターネットメディアOurPlanetTVが国及び国会記者会に対して、7月29日に行われる大規模な反原発抗議活動「国会大包囲」の取材のため、国会記者会館の屋上使用を求める仮処分の申し立てを行っていた件で7月26日、東京地方裁判所(福島政幸裁判長)は申し立て却下の判断を下した。OurPlanetTVは、即時抗告する。
 
OurPlanetTVは、毎週金曜日に官邸前で行われている「反原発抗議行動」の様子を撮影するため国会記者会館屋上への立ち入りを求めてきたが、管理にあたっている国会記者会より、記者クラブに所属していないとの理由で拒否されていた。このため、OurPlanetTVは、「取材の自由・報道の自由は、一部の記者クラブに加盟している一部のメディアの特権ではない。」と主張。屋上の使用を求めていた。
 
これに対し、国会記者会は「国会記者会館は、衆議院から国会記者会に対し、国会関係取材のための新聞、通信、報道等の事務室として使用することを認められられているものであり、公開する場ではない」と反論。使用権限は「国会記者会館の自由裁量である」としていた。また、国側は、国会記者会館の使用は、行政処分であるため、民事の仮処分申し立てにはそぐわないと回答していた。
 
地裁の判断は、今回のように屋上に入って取材するという行為は法的に守られるべき権利(被保全権利)とはいえないというもの。国会記者会と衆議院の間で、どのような契約が結ばれ、国会記者会が公的な施設である国会記者会館を「自由裁量」で使用する権限を委託されているのかについては、一切の証拠文書も提出されなかった。
 
OurPlanetTVの代表理事・白石草は、「国の所有物である国会記者会館を、国会記者会とうう一私人が、なぜ排他的に使用できる権利を有するのか、その根拠が示されないままで判断がくだされ残念。」とした上で、「国から国会記者会に本件建物の使用管理権を委ねられた趣旨が、報道の自由や知る権利に資するものでないとするならば、なぜ、国会記者会は随意で運営を委託されているかを明らかにするべきであり、逆に、もし知る権利や民主主義の伸長のために、委託されているならば、当然、私たちOurPlanetTVも立ち入りが認められるべきだと思う」と話している。記者クラブを相手にした裁判は日本で初。OurPlanetTVは即時抗告する。OurPlanetTVは、この裁判への賛同署名の募集を開始した。また、裁判費用の寄付も募集している。
 
国に対する申立書
国会記者会に対する申立書
国の答弁書
国会記者会の答弁書
国会記者会の証拠(事務局長佐賀年之さんの陳述書)
国会国会記者会の証拠(国会記者会の規約)
決定文(国)
決定文(国会記者会)

 

 

 

 

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