2012/07/21 - 21:36

過剰警備の中、変化を続ける抗議行動〜「アノ二バス」登場

金曜夜に首相官邸前や、国会周辺で行なわれている「脱原発」を訴える抗議行動。7月13日に警視庁が「鉄柵」を用いた厳しい警備を行われるようになったが、警備は先週以上に強化されている。こうした中、抗議活動は更に多様さを増し、新たな展開を見せている。
 
 警察は20日も「鉄柵」を使用。横断歩道などの通行止めや歩道を狭めるなど、13日以上に厳しい規制をひいた。官邸前から離れた衆議院会館前では、国会記者証を持つ記者以外は全て通行を禁止され、フリーやネットメディアの取材者やカメラマンは、歩道を通行ができなくなるなど、OurPlanetTVの取材にも大きな支障がでてきている。
 
 こうした中、増えているのが車や自転車だ。多くの自転車が多様な表現で官邸を通過しているパフオーマンスを行っているほか、官邸前で抗議したい人を運ぶ企画「アノニバス」が登場した。
   
 「アノニバス」(@Anony_Bus)は、警察による規制で官邸前に近づけない人々を運ぶプロジェクト。16日に、ツイッター上で、官邸周辺に発着する無料の送迎バスを出すと発表。停留所は複数あり非公表だが、目的地周辺にいる行き先案内人が場所と時間を知らせている。
 始発バスが出たのは19時頃。OurPlanetTVのスタッフもおよそ20人乗りの「アノニバス」に同乗した。このプロジェクトは「アノニマス」をもじっているとおり、匿名のプロジェクト。メンバーや参加者が、スタジオジブリのアニメ「千と千尋の神隠し」に登場するカオナシのお面をかぶっている。
 首相官邸先の衆議院議員会館前の「停留所」で降ろしてもらったが、後に続く2〜3人降りたところで、警察官が降車口に殺到。降りようとする乗客と警察とでもみ合いになり、結局、降りることはできなかった。乗客が「降ろして〜」と叫ぶと、警察は「乗車してください」を連発。しかし、降りた人までも車の中に戻されてしまった。
 

※アノニバスの中からの映像(撮影:アノニバス)
 
「アノニバス」のメンバーは、鉄柵などによって警備が強化されていることに対し「この状況を転換すべきと考えます。理不尽な状況を自身で批判的に考察し、別の途を模索することができる。みなさんがアノニバスなのです。」と話す。アノニバスに触発され、国立市から自転車を積んで参加した「アノニバスfromくにたち」なども登場した。
 
また、官邸前周辺だった抗議行動だが、過剰な警備で近づけない人たちが、経済産業省前や官邸裏など、霞ヶ関や永田町のあちこちに分散したかたちで、抗議を呼びかけている。この日は経産省別館前では、大飯原発に破砕帯の調査を求めて抗議活動が行われた。首相官邸前の抗議行動を終えた人も合流。抗議の声は21時すぎまで霞ヶ関周辺に響いた。
 

国会記者の通行証を持っている記者クラブの記者以外が歩道の歩行を禁じられる事態に。映画監督の森元修一さんが撮影した映像。
 

厳しい警備に抗議する人びと。
 
関連動画
過剰警備の中、多様な表現あふれる〜官邸前行動(7月13日)
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