2012/03/28 - 15:35

保安院が非公式データを記載~大飯原発ストレステスト資料

大飯原発3、4号機の再稼働に関連し、27日、国会の議員会館で、市民団体などによる政府交渉が行なわれ、経済産業省原子力安全・保安院が、原子力安全委員会に対して提出した説明資料の中に、保安院が、了承していない数値が使用されていたことが明らかとなった。
 
政府交渉で問題となったは、制御棒の挿入時間について。原子力発電所では、大きな地震を感知すると、原子炉の自動的に多数の制御棒が挿入され、原子炉が緊急停止する仕組みになっているが、その際、制御棒は2.2秒内に挿入されなければならないと定められている。これに対し、保安院は2010年に安全評価を行い、大飯原発3、4号機の制御棒の挿入時間は、2.16秒であるとであると確認し、これを安全委員会に報告していた。
 
しかし、今月3月13日に原子力安全委員会のストレステスト検討会に提出された資料には、この2.16秒という数値ではなく、1.88秒という数値が記載されていた。市民団体側は、なぜ1.88秒という数値を記載したのか質問したところ、保安院原子力安全技術基盤課の田口達也企画班長は、関西電力の評価値を参考資料として記載したと説明。3月13日の少し前の時期に関電の担当者から、保安院の名倉安全審査官に伝えられた非公式な数値であることを明らかにした。
 
市民団体側は、関西電力が作成した書類から1.88秒という数値を利用したのは、活断層の3連動評価をおこなった場合にも許容値を満たせるように、意図的に提出したのではないかと抗議。数値を削除しするよう要求したところ、保安院側「検討する」と回答した。保安院が、非公式な数値をストレステスト評価の検討資料に使っていたことは問題であるとして、市民側は安全委員会に対し、保安院に対して正しい報告書を再提出させたうえで、説明を求めるよう要請した。
 
このほか、市民からは、原発再稼働にあたって、保安院が説明会を開催する「地元」の概念が不明確だとして、滋賀県や京都府、大阪などの近隣府県でも市民が参加できる説明会を開催するよう求めた。
 
リンク
保安院が安全委員会提出した資料(p.7および添付-2)
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/hatsudensougou/hatsudensougou005/siry…
 
 

 

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